【日産GT-R物語(2)】プリンス・スカイライン2000GT[2]
日本では、スカイラインGTで始まったロングノーズ・ショートデッキのスタイルは、現在でも直列6気筒エンジンにこだわるBMWの最も新しいスタイルとして続いています。
※車用語=ロングノーズショートデッキとは?
しかし、当時は後付けでロングノーズにするのですからバランスは悪く、ノーズヘビーとなって強アンダーステアとなってしまいます。
下画像のフォード・マスタングの方が、ロングノーズショートデッキのスタイルが顕著ですね。
それをFR(フロントエンジン・リアドライブ)レイアウトで、フォード・マスタングは強烈な低速トルクを利して、パワースライドでリアを滑らせ、現在のドリフト族のドリフト運転よろしく、白煙を上げて曲がるのが「カッコよかった」のです。
「ドリフト族」のカッコよさは、このことから始まったのです。
タイヤは、本来しっかりグリップしている状態のほうが実際は速いのは当たり前ですが、当時それが技術的にできませんでした。
そのためリアを滑らせるドライビングテクニックは、当時のレーサーたちが速く走らせるために編み出したテクニックでした。
それが現代の「カッコよさ」につながっているのは、奇妙なものですね。
※車用語=アンダーステア、オーバーステアとは?
一方、ポルシェのRR(リアエンジンリアドライブ)レイアウトでは、強オーバーステア(テールが滑ってしまう)となります。
「尻をふりふり」の状態を無理やり抑え込むように操縦するのがポルシェを運転するドライバーの腕前となり「ポルシェ使い」と呼ばれて、「カッコよかった」のです。
参考(クルマの基礎知識):レシプロエンジンについてはウィキペディアでご覧ください。
自動車用エンジンでは、マツダのロータリーピストンエンジン以外は、ほとんどピストンが上下動する4サイクル・エンジン、つまりレシプロエンジンです。
吸入行程:ピストンが下がり混合気(燃料を含んだ空気)をシリンダ内に吸い込む行程。
圧縮行程:ピストンが上死点まで上がり混合気を圧縮する行程。
爆発行程:着火された混合気の爆発によりピストンが下死点まで押し下げられる行程。
排気行程:慣性によりピストンが上がり燃焼ガスをシリンダ外に押し出す行程。
このシリンダーを1気筒と数え、それを直列に並べて4気筒としたのが直列4気筒です。
V字型や、水平対向に配置すると全長が短くなります。V6、V8、V10、V12など気筒数の多い大排気量エンジンではV字型の配置してエンジンの全長を抑えるデザインが多くみられます。→【日産GT-R物語(3)】愛のスカイライン[1]