【2016 NISSAN GT-R物語(3)】愛のスカイライン[1]

日産とGT-R物語

スカイライン2000GTが現在のGT-Rに直接つながる系譜となります。いわゆる「スカG」と言われるクルマは、このスカイライン2000GTのことです。これが、スカイラインGT-Rにつながっていきます。

スカイラインGT-B

出典:トヨタ博物館/スカイラインGT-B

1965年2代目スカイライン1500 → 1968年2000GTが登場

スカイライン2000GTが現在のGT-Rに直接つながる系譜となります。いわゆる「スカG」と言われるクルマは、このスカイライン2000GTのことです。これが、スカイラインGT-Rにつながっていきます。

スカイライン2000GTは、レース仕様のウェーバー3連キャブを装備して125馬力と公表されていますが、現在の計測方法とは違ってエンジン単体での数値なので、現在の表示では110馬力程度であったと思われます。

すぐに、このレース仕様を2000GT-Bとして、2000GT-Aが追加されました。

2000GT-Aはグロリアのエンジンそのものを搭載し、105馬力とされています。当時、乗用車のコラムシフト(チェンジレバーがハンドルに取り付けられていたタイプ)の3速ミッションから、現在では当たり前のフロアシフト(フロアトンネルにチェンジレバーを取り付けたタイプ)になりました。

日常使用で使いやすいタイプを追加してきたのですが、現在の基準からみると、3速ミッションは考えられない仕様でした。一方、2000GT-Bは4速ミッションで、当時としてはレース仕様のキャブレターを装備した本格的GTでした。

現在は電子制御の燃料噴射が当然の時代で、キャブレターは考えられない装備となっていますが、ウェーバーキャブは吸入効率が高く、装備するだけで出力アップした装置です。

後に、2000GT-BはGT-Rにつながり、2000GT-Aは現在のスカイラインGT各タイプにつながっていきます。

初代+2ドアC10GT-R

出典:初代スカイラインGT-R 2ドアハードトップ(Wikipedia)

 

1968年3代目スカイラインにモデルチェンジされますが、話題の多い車となります。テレビCMで「愛のスカイライン」と広告されたモデルです。

1969年、日産GT-Rの事実上の初代となるスカイラインGT-Rが登場します。

 

Prince_R380_01

出典:wikipedia/プリンスR380

S20と呼ばれたDOHC2000ccエンジンが積まれました。このDOHC2000ccエンジンは、日本グランプリでポルシェやトヨタ7などと争った日産R380と呼ばれたレース専用スポーツカーのエンジンGR8・200~255馬力をディチューンして搭載したものでした。

S20 は「4バルブ・3キャブ・DOHC」で、「フェアレディーZ432」に搭載されたものと同じです。当時のエンジン単体の計測では160馬力でした。2000ccとのクルマとしては、当時市販されていたトヨタ2000GTの150馬力を凌駕して最高出力でした。

S20は、R380のレース用エンジンGR8のオイルサンプを「ドライサンプからウエットサンプ」にして、圧縮比を少し下げ、馬力を落として日常使用に耐えるものにしています。

このエンジンオイル・ドライサンプの技術は、旧中島飛行機、現在の富士重工の飛行機用「誉(疾風)や栄(ゼロ戦)」エンジンからヒントを得たものでした。まだ、戦後が終わっていなかった時代でした。・・・⇒【日産GT-R物語(4)】愛のスカイライン[2]

 

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