2015年年末ゴルフ番組「KYOKUGEN・極限」で松山英樹と石川遼の直接対決がすごかった!【画像あり】で大御所北野たけしの案内で、見事なショットを披露した松山英樹と石川遼の2人でしたが、そのときキャディーバッグの中に入っていたウェッジは2人とも4本でした。
二人とも共通してロブウェッジを入れていたのが印象的でした。
なぜ、松山英樹プロと石川遼プロはロブウェッジを入れているのでしょうか? 紐解いていきましょう。
アメリカPGAのコースではロブウェッジが必要だから
松山英樹、石川遼共にロブウェッジ(LW)を入れているのには、PGAツアーが開かれるゴルフ場の環境があるようです。広いアメリカのことですからコースごとの環境の変化は激しく、道具も幅広く対応できなければならないのでしょう。
ロブウェッジ(LW)とは?
ロフト角が60度以上 と非常に大きく、ボールを高く上げてグリーンで止めたい 時に使うゴルフクラブ(ウェッジ)で、主にグリーン周りのラフやフェアウェイから、障害物を越えてピンに寄せるアプローチに使われます。(バンス角は少なめです)
ウェッジは14本のクラブの中でも最もゴルフコースの環境に左右されるクラブです。
なぜPGAツアーではロブウェッジが必要?
少なくともアメリカPGAが開かれるコースセッティングでは、ラフやグリーン周りの芝の刈高が、日本のコースセッティングに比べて激しく高いのが特徴でしょう。むしろ日本のラフの刈高などが低すぎると言うべきかもしれません。
一般的なPGAツアーの芝の刈り高(目安)は以下の通りだそうです。
・グリーン: 2.5〜3.5mm (0.1〜0.14インチ)
・フェアウェイ: 10〜12mm (3/8〜1/2インチ)
・ファーストカット(中間ラフ): 25〜38mm (1〜1.5インチ)
・ラフ: 50〜150mm以上 (2〜6インチ以上)

そのため、PGAツアーのグリーン周りのラフの刈高もボールが沈んでしまうほどで、ロブショット以外では打てない状況が多いからです。
アプローチショットでグリーンを外してしまうと、すぐ近くであっても転がすことは出来ず、ロブショットを必要としているために専用のクラブ、つまりロブウェッジが当然必要となってくるのです。
↓↓↓こちらは、2019年メモリアル・トーナメント3日目、松山英樹プロの映像。60度ウェッジを使用した模様。チップインバーディです!!! 松山選手の立っている芝をご覧ください。シューズが隠れるくらいで10ミリくらいはありそうですよね(‘◇’)ゞ。
What a shot. 👏
What a round. 👏Hideki Matsuyama chips in to finish his third round. He’s 1 shot off the lead @MemorialGolf after carding an 8-under 64.#LiveUnderPar pic.twitter.com/wrDMuRxXmF
— PGA TOUR (@PGATOUR) 2019年6月1日
松山英樹プロのロブウェッジはどんなウェッジ?
では、松山英樹プロはどんなロブウェッジを使用しているのでしょうか?
通常、ロブウェッジのバンス角は、6〜10度程度の「ローバウンス」が基本と言われています。主にそれは、バンス角で地面から跳ね返されてしまうからです。あとは、開きやすい、刺さりやすいというのがあります。
でも、松山英樹プロのロブウェッジのバンス角は、なんと0度です!Σ(・□・;)ロフト角は60度です。

↓↓↓こちらは、2024年松山英樹プロが使用する『クリーブランド・RTX4 フォージド』の60度ウェッジです。バンス角は9度でローバンス。中古で安いので、お遊びで試してみてはいかがでしょう?
ゴルフで上達したいと思ったら、ウェッジを中古で購入するのはあまりおすすめできません。それはバンカーやグリーン周りのベアグラウンドなどで使う率が高いからです。つまり使用条件が悪くてクラブが酷使されているので、スピンをかけるための溝(スコアライン)がクラブの性能を引き出せないなどがあります。それゆえにランクCのものが多いです。
日本のコースでは必要?
このように、アメリカPGAのゴルフコースは、普段私たちがプレーしている日本のゴルフ場のアマチュアゴルファー向けのコースセッティングからは、想像できない難しさがあります。
それでも、私が一度、トーナメント・クオリティの日本のコースでラウンドしたら、ラフが深くてどうにもならなかった思い出があります。
試合直前のトーナメント・クオリティのゴルフ場では、試合に合わせてフェアウエイの幅も狭くセッティングされているのですが、ラフに入るととてもアマチュアでは打てないほど深くセッティングされていて、出すのが精いっぱいでした。
ボールがラフに入った場所を特定できていても、すぐそばに行って真上から見ないと見えないので、信じられない場所でロストボールとなってしまうのです。スロープレー要注意の状況でした。
↓↓↓こちらは、2025年現在アマチュアゴルファーに広く支持されているクリーンブランドのウェッジ、RTZです。特徴は打感が良く、スピンもかかりやすいことです。
ウェッジの日米相違点
■ジャンボ尾崎・中嶋常幸の功績
かつて、日本のアマチュアゴルファーの間でジャンボ尾崎のウェッジが流行りました。グースネックの強い、今では独特の形をしたウェッジでしたが、日本の芝の条件からジャンボが独自に形状を編み出したのでした。
グースネックとは?
アドレスしクラブを上から見たとき、シャフトの中心線の延長線よりフェースのリーディングエッジが後退しているクラブ。そのためクラブのネック部分がガチョウの曲がった首のように見える。また、このシャフトの中心線の延長線とフェースのリーディングエッジとの差を数値にあらわしたものをFP(フェースプログレッション)という。
↓↓↓グースネックの逆で、リーディングエッジが前方に出ているクラブをFPが大きいという。日本では「出っ歯」ともいう。

出典:http://www.hm-golf.com/golf-club/fp.htm
それが日本のゴルファーの基準となっていたため、クリーブランドのクラブが輸入されたときから、アメリカのウェッジを「出っ歯」と言うようになりました。つまり、FP(フェースプログレッション)が大きくリーディングエッジ(クラブの刃先)がシャフトの中心線よりかなり前に出ているのです。
PS(ピッチングサンド)の第一考案者はジャンボ尾崎!
ジャンボ尾崎は「P/S(ピッチングサンド)」つまりAW(50°52°など)の考案者で、日本でいち早く普及していきました。
タイガーがデビューした当初はPWとSWだけで距離を打ち分けていましたが、当時の世界の常識では「ウェッジは2本」でした。
(「SWはジーンサラゼンの発明」で、「P/S(AW)はジャンボ尾崎の発明」)
ジャンボはことのほか道具にも熱心で、ブリジストン「J’s」を監修して、現在までの「ツアーステージ」「ブリジストン」の銘柄(ブランド)を創り上げました。ミズノのTN87モデル(中嶋モデル)の中島常幸と、語り継がれるべき道具の分野での日本の逸材です。TN87はタイガーウッズがデビュー当時使っていたことでも知られています。
↓↓↓こちらはウェッジではないですが、やはりジャンボ尾崎プロがその先見性で先駆けて使い、ラフからも出しやすいとブレークしたフェアウェイウッド。今でも人気があります。あと残りわずか!
■日米のクラブの最大の相違点
当時、ゴルフクラブ設計では、それぞれの国のプロの意見で大きく左右されていました。最近ではグローバル化が進んで、それほど差はなくなったのかもしれません。ちょうど、クルマのデザインがお国柄でずいぶん違っていたのに、今ではあまり差が感じられなくなっているのと同様ですね。
アメリカのクラブでは「重心距離が長い・FPが大きい」のが、最大の特徴であると言えました。FPが大きい、つまりリーディングエッジが出ている(出っ歯)のはボールを早く捉えるためです。
それは、ラフの刈高の違いから要求される「ボールを上げる必要性」であり、「ボールを拾う」という感触やイメージをより求めているとも言えるかもしれません。
松山英樹が使う”出っ歯”のクリーブランド
アメリカPGAが主戦場の松山英樹の使用するクリーブランド588も、アメリカのクラブの特徴を表しています。ウェッジではやはりFPの差が目につきます。FPが小さい、すなわちグースネックが強いと・・・➡【松山英樹・石川遼のウェッジ(2)】