【ハイブリッド・エンジンの基礎知識(1)】外燃機関と内燃機関

エンジン

2016年の世界情勢で、車の燃費をさらに向上させることは必須の目標です。ヨーロッパ(EU)の2021年の規制ででは、日本のJC08規制より実走に近い規制で、日本の誇るハイブリッド車であるプリウスの40km/Lでもクリアすることは叶わないと見られています。
そこでハイブリッド・エンジンを主として、現在の自動車用エンジンについて、周辺知識を含めて基礎知識を確かめておきたいと考えます。

写真はトヨタの2ZRーFEXハイブリッドエンジンです。THS(トルクミックス)と称してエンジンとモータを組み合わせて、現在最も効率の良いとされるシステムです。電動部分を多くしていったときホンダは逆転できると考えているようです。

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写真出典:Hybrid Cars公式サイト/http://www.hybridcars.com/2016-toyota-prius-specifications-revealed/  

外燃機関と内燃機関

蒸気機関の発明は1769年ワット発明とされていますが、蒸気の利用については歴史は古く、考えただけであれば、人類がお湯を沸かしたころから、すでに誰かが発想していたかもしれないと思うのが正しいでしょう。
蒸気機関を「外燃機関」と言って実質的にエンジンの始まりと考えて間違いなさそうです。それに対して現在の車のエンジンはガソリン、ディーゼル共に「内燃機関」と呼ばれているものです。

■外燃機関

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外燃機関は蒸気機関車を思い浮かべれば分りやすいことでしょう。機関車の大部分を占めるボイラーで蒸気を作り、車輪の前、極小さく見えるピストンに供給して、車輪を回しています。ピストンの入ったシリンダー(気筒)に対してボイラーの大きなことは、大変印象に残ります。
つまりボイラーはシリンダーの外部にあり、そこで石炭やまきを燃やしています。外部で燃料を燃やしているので「外燃機関」なのです。

■内燃機関

レシプロエンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/レシプロエンジン

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自動車用のエンジンを見ると、シリンダーの中でガソリンやプロパンガスなどを燃やしていますので「内燃機関」と呼ばれている訳です。車のエンジンも蒸気機関に対してかなりコンパクトにできているのが一目でわかります。シリンダーの中で直接燃料を燃やしてピストンを、蒸気を介さずに直接動かしているので効率が良いことが推察がつきます。

内燃機関でピストンが往復運動しながら回転運動に変えているシステムをレシプロエンジンと言います。他の形式ではロータリーエンジンやタービンエンジンがあります。外燃機関で蒸気機関としては、現在、原子力発電をはじめとして発電用タービンシステムが広く使われています。内燃機関でタービンエンジンの代表はジェットエンジンでしょう。・・・つづく

【ハイブリッド・エンジン(2)】蒸気機関