【理想主義的社会主義(1)】グローバル企業の力[1]

日記

産業革命以来、資本主義が生まれて数百年の歴史で、「資本主義と民主主義」が一対であるがごとき幻想を描いている人も多いことでしょう。「自由こそ民主主義」ではないことをも認識する必要があるようです。

企業の支配

皆さんの会社の支配者は誰でしょう。形式上は資本家と労働組合です。実際は「強いもの勝ち」ではないでしょうか? 国家は選挙で投票権を持つことで民衆の主権が確保されます。しかし、社長は社員の投票では決まりません。多くは資本家の思惑で決まります。法律上もそれが正当とされています。

%e3%82%a8%e3%82%a2%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%83%af%e3%83%b3

企業内では自由に発言することは、身の破滅につながるのが通常です。働き口が確保できなければ生活できません。企業の支配力は「専制君主」並みです。

労働基準法で保護されている内容でも、現在は侵害されることが増えています。仮に守られても現在の世論では、企業の支配力が上回るでしょう。

そこで労働組合の強化を考えれば、民主主義は保てると考えていました。しかし・・・

グローバル企業の資金力

「現在の巨大企業は小国の資金力より勝る」とされてきたのですが、さにあらず、いまでは中堅国家もかなわないほどになり、巨大企業の資金力は国家を上回る力をもたらしています。民主主義国家、つまり国民が正当な選挙で立法権を確保できている国家を、民主的でない選出方法で権力者を決めている企業に支配されているのです。それも政治献金など政治家を裏で動かすだけではなく、正面から国家権力を上回る力で、働く人々、国家の土地などを支配し、政策を決定する例などが現れています。

全世界の国家収入とグローバル企業の収入を並べてみると、すでにウォルマートを筆頭にトヨタなども10位以内に入ってきており、企業のほうが国家よりも力がある事実があります。それは世界各国で法人税率を引き下げ、企業誘致を競っている状況になっていることも作用しています。産業のない小国では、グローバル企業を誘致することで雇用を生み出し、経済発展をしようとしています。経済発展の必要性についても考え直してみることが望まれます。

国家権力は人類の最高権力・!?

今となっては死語ともいえる言葉ですが、「自分の権利を奪われている」と危機感を持っている人を見かけません。グローバル企業の力や、ファンドの力を知る人々は「当然のこと」として・・・・・つづく

【理想主義的社会主義(2)】グローバル企業の力[2]➡