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総武カントリークラブ・北コース、知恵の輪サイトの見立て(２)
練習用ゴルフコースの持つ意味合い
レッスンプロと話していると、「コースを借り切って、生徒に思いっきりいろいろな場面を練習させたい」要望が強くあります。しかし、空きがあるコースでも、この「練習する機会を作ることが、ゴルフ業界の重要なポイント」になっているとの認識がない経営者や支配人が多く、なかなか企画が出来ないのです。
ゴルフ場側は、レッスンプロの連れてくる人数だけに捕らわれ、売り上げとして少数であるとの認識が強く、長期的な視野に立った「ゴルフ市場の創造」が受け入れられないのです。
ゴルフ場は「立地条件」の強い商売でもあります。商圏内のゴルファーを育てる試みが、そのコースの長期的運命を決めます。どこを商圏として取り込めるのかも検討しているゴルフ場を見かけませんが、バブル時代の「殿様商売」の夢を見たままでは、団塊の世代のリタイヤに連れてゴルフ場が衰退してしまいます。
1990年当時、つまりバブル時代のゴルフ場の総数は2,000コース弱です。現在は2,400コースを超えています。むしろ増えているのです。これはバブル時代に計画されたコースが後にオープンしたことと、「ケチ」れば値下げしても採算がとれるほど「放漫経営」を許すプレーフィーの設定であったことを示しています。現在、堅調に経営してきているコースでも、かなり放漫な経営感覚であることが見て取れます。
その表れとして「ゴルファーの育成＝ゴルフ場の業務」とは理解していないのです。これを正して「ゴルファー創造」に工夫を凝らすことこそ、現在ゴルフ業界に課せられた命題です。トーナメントはゴルフの象徴であり、1柱であります。しかし、それでゴルフ業界が成り立つ環境にないのです。
この意味で総武カントリークラブ・北コースの果たす役割は、実は最も重大です。
同じような役割を持つゴルフコース
全国に同じような役割を持つコースは多いものです。しかし、ゴルフ業界の悪い習慣で「名門ゴルフ場はパブリックとは違う」とする「ブランド意識」が強く、業界全体としてのシステム構築がなされてきませんでした。
アコーディア・ゴルフ(AG)の「トロフィアゴルフ」の営業方針について、私が幾度となく「全コースで地域ごとの枠組みと連動が必要」とアドバイスしてきているのは、全体像（長期戦略）を示しているのです。レッスン・フィットネス・物販・トーナメントなどの連携を作り、ゴルファーの掘り起こしと育成を進めることが必要なのです。それは必ずしも「ジュニア」だけではないのです。
かつてAGに、コースでゴルフクラブなどゴルフ用品を売るのではなく、「物販の販売拠点は住宅地の練習場が中心で、コースではない。コースにゴルファーを呼ぶにしても、住宅街に近い練習場で物販やレッスンなどを通じて集めることが主力。」と説いたことがあります。しかし、関心も呼びませんでした。「中期事業計画がゴルフ市場の分析から入らないのはナンセンス」とも幾度とも言いましたが、理解できた人はいないようです。
このままでは、我々団塊の世代がリタイヤしてしまうオリンピック後が、大変危険です。
総武カントリークラブ・北コースに期待することは、ゴルファー育成の方策をさらに充実させてほしいのです。全国のレッスンプロも協力して、「トーナメントクオリティーのレッスンのメッカ」を考えてみてください。具体的には、口コミにもあったシャワー設備・乗用カートなどの設備面と、レッスンと物販、初心者向けへの使い方の提案などと、それをトーナメントに合わせて広告することです。トーナメントと普段のゴルフプレーのつながりを具体的に示して、アスリートだけのものではなく、日常のスポーツとして身近に感じられるようにするのです。
AGはトロフィア計画を大局から見直して、全国のコース全ての参加する組み立てを作るのです。それがトーナメントコースとしての営業成績も向上させ、太平洋クラブではトーナメント開催を日常営業の業績向上につなげる方向性です。常識的に考えれば努力する方向性を理解できないわけはないのです。これは個別のコース単体でも、地域のゴルファー掘り起しに繋がり、1コースの努力としても必要なことです。
神奈川県では前出の鎌倉カントリークラブ、鎌倉パブリックゴルフゴルフ場、葉山カントリー、葉山パブリックなどがあります。構想が出来て強力な推進役が出てくれば、ゴルフ場業界も様相が一変するでしょう。オリンピックまでがチャンスですね・！！