トヨタ・新型カムリの販売台数の5割以上が60歳代以上と聞いてびっくりした。では、「見ているだけでは分らぬ」と、試乗してみることとした。本当に若者に受けないのであろうか?
女房はスタイルについて「大口開けた出っ歯じゃね~」と現代の若返りデザインを否定して、乗りたがらない。一人で買う気になってディーラーに出かけてみた。
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■”電子ハンドリングなし”は王道
マツダGVC、スバルなどに見られる「電子ハンドリング」と言うべき、スキッドコントロールを含めた4WDによるハンドリングコントロールは、新型カムリにはついていないが、このハンドリングは「電子ハンドリング」の必要性を感じさせない。
➡参考:【試乗記】新型マツダCX-5に乗る(1)・電子制御ハンドリング
しかし、4WD電子ハンドリングは、安全性に関わる装備でもあり、プリウスに用いられているE-Fourのような電動4WDの装備を検討すべきであろう。それは中国市場のように、まだまだ道路整備が追い付いていない国でありながら、高級車の需要のある地域があるからだ。日本でも雪国仕様で安全性を高めるために考えてほしい装備だ。
カムリ・サスペンション 引用:http://toyota.jp/camry/cp/beautiful-monster/
街中の道路の路面が荒れたところも含めて、乗り心地は最高。しかし、18インチタイヤはオーバースペックであると感じる。タイヤは「どたどたと動く」のだが、よく抑え込まれており、路面から跳ねるようなことはない。これが「現代流行のサスペンション」と言わんばかりの出来だ。ロールもダイブも少ない。
若い営業マンが「柔らかすぎる」と言い出したが、トヨタ車は日常の使用で乗り心地が良いようにできているのが標準だ。極めて「トヨタらしいサスペンション」とも言える。確かに柔らかい。
狭い道だが曲がりくねった坂道で少々スピードを上げてみた。やはりロールが少ない。明らかに抑え込まれている印象だ。「こんなに柔らかいのにロールしない」と呟くと、「お仕事は何ですか?」と営業マンが警戒してしまう。
カムリ・パワートレイン 引用:http://toyota.jp/camry/cp/beautiful-monster/
50年前、車に乗るにはディストリビュータとスパークプラグの清掃、スパークプラグの接点間隔調整、エンジンスロー調整、ガソリン噴射量の調整ぐらいは自分で出来ないと、実用にならなかった。しょっちゅうエンジンがかからなくなるからだ。冬の間は、車で出かけるときは時間を約束できなかった。
「ポルシェ使い」と言われたポルシェのオーナーたちは、「整備が出来ることが当然」となっていた。そのオジサン感覚からすると、サスペンションの動きを感じていることは、自分の命を守ることである。現在でもサスペンションが折れる心配すらする意識もあるのが、オジサンドライバーのプライドだ。「数年すると車のサスは垂れてくる」と思っていた。50年前の常識では確かにサスペンションは柔らかくなって来るのだった。
引用:http://toyota.jp/camry/cp/beautiful-monster/
話を戻して、新型カムリはスピードを上げるのもアクセルを踏めばよい。止めたければブレーキを踏めばよい。しかし、エンジンブレーキは効きにくい。
明らかにエンジン車と比べるとHVはエンジンブレーキが効かない。でもフットブレーキを踏めばよいだけだ。現在のフットブレーキは、少々の使い過ぎではフェード現象、べーパーロック現象も起きにくい。全輪が、十分な容量を持つベンチレーテッド・ディスクブレーキで、放熱性が良いからだ。箱根のような山坂道でも、障害を起こすことはほとんどなくなった。➡「これはオジサン車じゃない!」カムリHV試乗記(3)「ザ・トヨタ・セダン」
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