【あ・うんのゴルフ4スタンス理論を解釈する(58)】ねじって飛ばすはホント?

ゴルフ・スイング理論

「ゴルフスイングは、ねじをねじって巻き戻す」と昔から言われていました。「下半身と上半身のねじれの差で飛ばす」とも言われていました。しかし、どうも実感がありません。無理に下半身を止め、ねじれの差を巻き戻すようにしても飛びません。だいたい人間の体はバネのようにねじって勢いがつくとは思われないのです。

➡【あ・うんのゴルフ4スタンス理論を解釈する(57)】リストターンで飛ばす




バックスイングは30センチ真っ直ぐ引け!

「バックスイングは30センチ真っすぐ引け!」

とはよく言われたセオリーですが、タイガーウッズが出てきてからは、あまり言われなくなり「素直に上げる」となってきました。この違いは何なのでしょうか?

4スタンス理論では、タイガーウッズはA2タイプで、一番シンプルで素直で美しく見えます。宮里藍もこのタイプで伸びあがるようにスイングするので、とても美しく感じます。この2人には30センチ真っ直ぐ引く様子を感じられないのですが、シニアプロの尾崎直道には、明らかにバックスイングの初めに真っ直ぐ引く意思が感じられます。これは単に新旧の差であるのでしょうか?


体重移動の差

尾崎直道にはバックスイングで右足に体重を乗せる感じが色濃く出ています。宮里藍には、ゆっくりとしたテンポですが右に体重移動する感覚を感じません。尾崎直道はB2のようです。尾崎将司(ジャンボ)もB2ですが切り返しのテンポが速いためか、あまり右に体重移動する感覚を感じません。

新井規矩雄と言う昔のプロがいますが、かれは極端にスタンスが狭く、スイングすると「あっち向いてほい、こっち向いてほい」と声を掛けたくなるほど、シンプルに「向きを変える」だけに見えます。B1のようで1軸スイングの特徴が明確に出ています。青木功はB1ですが、べた足でねじる感じが見えるのですがB1の代表格です。手首の感覚の強いので見た目に「向きを変える」との印象が少ないのかもしれません。また8の字になるスイングプレーンでB2の池田勇太のように特徴が出るので、B1の一軸スイングとは感じられないのかもしれません。

しかし、総じてみるとA2・B1のパラレルは1軸スイングで体重移動が少なく、バックスイングでねじり込むより「回転している」イメージが強いようです。

B2・A1クロスタイプではスタンスも広くバックスイングの始まりに体重移動がありますので、バックスイングでねじっていくイメージが出るのかもしれません。


「ねじって飛ばす」はムリ・!

「ねじる」は意識しない方が良いようですね。

A2・B1パラレルタイプでは「回転」、B2・A1クロスタイプでは「体重移動」を意識すれば本人としては自然な動きが出来るようです。

特にB2では、ヘッドが遅れてくる意識を当然として2軸スイングを理解すれば「A文字」のように頭を中心として振り子のようなスイング軸を取る必要がなくなります。B2のジャックニコラウスはA型スイングをしていますが、首が胴体の前の方についているので「頭を動かすな」との昔のセオリーを守ると、そうならざるを得なかったのでしょう。

なので、B2では2軸スイングを当然と考えると自然な動きが出来るようです。

私はB2ですが、「ねじって飛ばす」はムリです。タイガーウッズはA2ですが腰と肩の捻転差は尋常ではありませんね。それで腰や肩を壊してしまったのかもしれません。昔のプロのほうが理論的でなく自分の癖をそのままにしていましたので、むしろ自分のタイプと違うスイングを試みて故障することが少なかったのかもしれません。

自分の体に合ったスイングを見つけて、故障しないように自分のスイングを心がけましょう。

➡【あ・うんのゴルフ4スタンス理論を解釈する(59)】ガードバンカーの基本:B2タイプはどう打つ?(動画あり)