【グローバル発注と系列】系列は自立すべし・??

トヨタ・TNGA

2000年メールマガジン発行と共に、最も注目してきたテーマです。現在、日本式系列を率いてグローバル企業となっている代表はトヨタ、コマツです。日産は元より、ホンダ、マツダなど日本企業もグローバル経済の波に飲み込まれて、系列を持たない体系になりつつあります。

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系列は自立すべし・・??

トヨタも現在、系列の在り方を模索しているようです。その動きは資金効率の観点から現在は言われていると言えますが、それはメガ・サプライヤーによる共通部品でコストダウンが出来ると言うものです。トヨタも、系列の部品メーカーが世界の自動車会社に広く部品を供給することで、数で開発費を早く回収できるメリットを考えているようです。かつて、トヨタに伍してフルラインナップの車種構成を維持するため、この開発費が、生産効率の劣る日産自動車に有利子負債を拡大させた原因とも考えられるので、トヨタの危機が現実となるストーリーの実態が見えてきたと言えます。


一方で系列を抱えるメリットは、メーカーに開発・営業などを任せている系列では、間接員の比率が少なくコストを安くすることが出来ることです。系列から自立することは、この開発や営業を自前で行うことを意味しており、間接員の増加が避けられない条件です。開発や営業は、A I を使った情報処理などで、ある程度の効率化は見込めるのですが、基本は人間の働く工程の多い分野であり、コスト増大を避けられないのです。

系列切り離しの準備?

系列のそれぞれの企業が、多重に開発・営業を行うのでは、コストアップが避けられません。それでは系列のメリットが失われてしまいます。このデメリットを解決する方法論を考えられない状況です。

さらに親会社としては系列に独立を求めるには、現在のHV(ハイブリット車)で部品点数が多い時が最良の時でしょう。しかし20年後、自動車産業全体の仕事量が激減します。独立した系列サプライヤーが、仕事がなくなる恐れが大きいと考えられます。その時にはトヨタ本体は独立した系列サプライヤーを見捨てることがたやすくなります。構造変換のやむを得ない動きなのでしょうか? 親会社本体が大幅な縮小を余儀なくされる状況が目の前に迫っている以上、生き残りをかけたトヨタの動きなのかもしれません。

いつの時代でも、系列会社は親会社の奴隷の位置付けであることには変わりないようです。

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