2018年の全英オープンゴルフで、3年ぶりに出場したタイガー・ウッズが6位。一時は首位に立つこともあった好調ぶりで、ゴルフファンを楽しませてくれました。カーヌスティという難しいコースで、ショット、パットともおおむね安定していたように思います。さて、タイガー・ウッズ選手のクラブセッティングはどうだったのでしょう?
伝説には終わらない! タイガー・ウッズの復活勝利はもうすぐか?!
全英6位のウッズが「再び優勝するのは時間の問題」 米紙が復活を評価 https://t.co/w5WGVRiVuF
— サンスポコム (@SANSPOCOM) 2018年7月23日
米紙「USA TODAY」は、「タイガー・ウッズ、惜しくも全英オープン優勝逃すも、彼が再び優勝するのは時間の問題」との見出しで伝えた。同紙は3年ぶりに出場した全英オープンを6位タイで終えたウッズが、再びメジャー大会で優勝することは、もう希望的観測ではないとした。(上記参照記事より)
全英オープンでの詳細データを得られなかったのだが、フェアウェイキープ率、パーオン率、平均パット数も良かったように思う。でなきゃ、6位は取れない。(初日は、フェアウェイキープ率は73%、パーオン率は61%。3日目まではフェアウェイキープ率1位だった。)
全英オープンで6位となったことで、世界ランキングは、3年ぶりに50位にランクイン。
8度の優勝経験がある8月2日に行こなわれるブリジストン招待(オハイオ州アクロン)の出場権も得た。
2018年もあと6か月を切ったところ、年末までにタイガーが優勝して、完全復活を見ることができるかもしれない。8月のメジャー大会である全米プロにも、大いに期待したい!
※期待通り!!! タイガーウッズは、プレオフ最終戦「ツアー選手権」で優勝してしまいました!!➡【2018タイガーウッズ、ツアー選手権優勝!!】復活勝利は予測通り! ?タイガーの最新スイングを観察してみる!
タイガー・ウッズのクラブセッティング(2018全英)
↓↓↓こちらは、タイガーウッズ自身のキャディバッグ。タイガーのインスタグラムからです。クラブセッティングもろ見え!(ザ・メモリアルトーナメント前)
ドライバーは、テーラーメイドの「M3」
タイガー・ウッズは、2018年今年はテーラーメイドの「M3」ドライバーを使用しています。「M3 460」で、ヘッド体積の大きいほうです。
ご存知の通り、M3のソールには「Yトラック」なる溝があり、2つのウェイトを移動して、重心位置を移動、調整できるようになっています。
➡松山英樹がついにドライバーを変えた!テーラーメイドの「M3 440」は飛ぶのか? 秘密はYトラックにあった!(2018.5.13))
松山英樹プロも、ウェルズ・ファーゴ選手権ではスポット的に、テーラーメイドの「M3 440」をしました。コントロールしやすいヘッド体積の小さいほうです。Yトラックの調整の仕方は、上記記事でもご紹介しています。
また、2018全米オープンで優勝したケプカ選手も、タイガーウッズと同じ「M3 460」を使用していました。ウェイトを調整するとことで、毎回違うコースセッティングに合わせているように思えます。
↓↓↓全英オープン時のタイガーウッズ。M3のYトラックが見えます。そして、シャフトは三菱ケミカルの「テンセイ オレンジ(TENSEI CK Pro Orange)」。
It’s @TheOpen week and we are right behind a previous winner at @mountjuliet @TigerWoods and our course record holder @TheSergioGarcia! If you fancy testing your skills we have the back tee challenge on Saturday Afternoon Scratch Singles! #Golf #TheOpen #MountJulietGolf #OpenGolf pic.twitter.com/ldoVtmoKLj
— Mount Juliet Estate Golf Club (@GolfMountJuliet) 2018年7月17日
↓↓↓こちらが、タイガーウッズ使用のテーラーメイド「M3 460」。シャフトは、アマチュアでも使用できる「KUROKAGE TM5」が装着されています。
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ドライバーのシャフトは、「テンセイ オレンジ」
タイガーウッズがドライバーに装着しているのは、三菱ケミカルの「TENSEI CK Pro Orange」です。通称「テンセイ オレンジ」と言われていますが、まぎれもなくプロ仕様です。手元調子であるのはもちろん、トルクもがちがちで、重量もあるので、プロ並みのヘッドスピードがないと扱えないでしょう。
アマチュアゴルファーは、「Pro」がついていない普通のテンセイオレンジ「TENSEI CK Orange」もあるので、そちらを試してみるのがいいでしょう。プロ仕様と同じく、若干手元調子なので、タメの強いスイングに合っているかもしれません。スライサーには向かないでしょう。デザインはほとんど同じようなので、ゴルフ仲間に自慢できるかも?です。
↓↓↓こちらが、「Pro」がついていない「TENSEI CK Orange」。現在装着しているシャフトの特性(調子、トルク、重量)と見比べて、シャフト交換してください。こちらは、テーラーメイドのスリーブ付きです。他のメーカーのスリーブ付きもあるようです。
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三菱ケミカルの「テンセイ」シリーズは、日本未発売でUSAモデルとなります。しかし、最近ではツアープロの間でものすごく人気で、最近ではロリー・マキロイが使用して激飛びしたので、ガルシアなどが装着してみたという話もあります。(現在も使用しているかどうかは未確認)
ユーティリティクラブは、「GAPR(ギャッパー)」!
タイガーウッズは、全英オープンでテーラーメイドの新クラブ「GAPR Lo」を入れました。ユーティリティ型のアイアンで2番(ロフト17度)。
ラインナップには他に、アイアン型の「GAPR Mid」=3番(18度)、ウッド型の「GAPR Hi」の3本があるようです。中空アイアンで、クラブセッティングの中でアイアンとウッドの間を埋めるためのクラブという位置づけのようです。
また、いわゆるカチャカチャがついていて調整できるようになっており、アイアン型では初めての試みなのではないでしょうか? またしても、新しい発想にチャレンジているテーラーメイドのゴルフクラブです! 日本仕様の発売はいつになるのでしょう。
TVで全英オープンを観戦していたら、タイガーが17番のティショットで使用しているのを確認しました。低くていい弾道で飛んでました。風の強いリンクスコース向きです。全英オープンのためだけに入れた可能性もありますし、コースによっては今後も使用するかもしれません。
全英オープンでは他の選手たちにも人気で、松山英樹プロも練習ラウンドでは使用した模様。
↓↓↓全英オープンでタイガーのキャディバッグに納まっている「GAPR」。黒く塗装されて光っているのがいいデザインです。
Tiger’s thinking about going LO at #TheOpen… #GAPR pic.twitter.com/fQ9txiiu31
— TaylorMade Golf (@TaylorMadeGolf) 2018年7月17日
↓↓↓こちらがタイガー・ウッズが使用していた「GAPR LO」です。すでに楽天市場に出ていましたが、US仕様なので、シャフトがガチガチで日本のアマチュアには硬すぎるでしょう。日本仕様が出るのが楽しみです。
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アイアンは、プロトタイプ「TW Phase」
アイアンは、試行錯誤の末、テーラーメイドにタイガー専用のアイアンを造らせたようです。
↓↓↓こちらが、タイガー・ウッズのアイアン、「TW Phase」。「TW Phase1」と刻印してあることから、これからまだバージョンアップの可能性がありそうです。もちろん、マッスルバック!!
このタイガー専用のプロトタイプアイアン、テーラーメイドの「P730 」をベースにしたカスタムのようです。「P730」をベースにカスタマイズしているプロは他にもいて、ダスティン・ジョンソン、ロリー・マキロイもそうです。
・参考記事: 【優勝!ダスティン・ジョンソン】の使用ウェッジにクラブセッティングの妙があった!? 52度、60度2本、64度。【動画あり】
↓↓↓こちらが、タイガーウッズ使用アイアンのベースとなったと言われる、テーラーメイドの「P730」。もちろんマッスルバックで、上級者用。自分に合ったカスタマイズも可能。腕に覚えのある方はどうぞ!
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ウェッジは、テーラーメイドの「ミルドグラインドウェッジ」
タイガーウッズは、2018年5月からテーラーメイドの「ミルドグラインド」ウェッジに変更したようです。
ナイキがゴルフクラブから撤退してから、タイガーはクラブに対してかなり試行錯誤しているようです。タイガーほどの技量を持っていれば、それは1ミリずれただけでも違和感を覚えるでしょう。
ロフトは、56度(バンス12度)、60度(バンス10.5度)。PWが52度だとすると、4度刻みでオーソドックスなラインです。
↓↓↓こちらが、タイガーウッズ使用のテーラーメイドの「ミルドグラインド」プロトタイプ。ネック部分を見ると、市販品のようにスルーボア形状になっていないことがわかる。
(ポインターを画像上におき矢印をクリックすると、ウェッジのアップ画像をみることができます)
「ミルドグラインド」は、均一な形状を製造できるよう、CADデータに基づきCNCミルドグラインド(削り出し)が施されています。また、市販品では、ネック部分はスルーボア形状になっているようですが、タイガーのウェッジはそうなってはいません。
結局は、タイガー専用のプロトタイプのようです。
↓↓↓こちらが、タイガーウッズ使用のウェッジと同型、テーラーメイドの「ミルドグラインド」。ロフトは、50、52、54、LB56、56、LB58、58、60度までラインナップされており(LBはローバウンス)、個人に合ったロフトが選択可能。
日本正規品 Taylormade テーラーメイド MILLED GRIND WEDGE ミルドグラインドウェッジ MGウェッジ N.S.PRO NSプロ 950GH (フレックスS) 【ゴルフクラブ】
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参考記事:これが「寄せワン」を狙えるウェッジ選び! ウェッジの本数でゴルフが変わる! 最近54度が人気のワケは?
パターは、テーラーメイドの「TPコレクション アドモア3」
タイガーと言えば、ピンタイプ(ブレード型)のパターというのがお決まりでしたが、今年からはとうとう変わりました。(また変わるかもしれないけど…)
新しいパターは、「クイッケンローンズ・ナショナル」から新投入しているパターは、テーラーメイドの『TP Collection ARDMORE3』です。まさか、タイガーがマレット型パターを選択するとは思いもよりませんでした。古くからのファンの誰もが驚いているようです。
それもそのはず、マレット型パターは何も考えずに、というか手首の感覚に頼らずにオートマチックに打てるパターだからです。つまり、どちらかというと初心者向けというイメージです。けれど、昔と違って、今ではトッププロたちがマレット型を当たり前のように使う時代。タイガーだけは違う!と思っていたけど、成績を出すにはやはり易しいほうがいいのでしょう。
なぜ、タイガーは「アドモア3」を選んだのか?
でもなぜ、ダスティン・ジョンソンが使用しているスパイダーにしなかったのでしょうか? 「アドモア3」の形状を見ると、スパイダーのように重心は深くありません。スパイダーほどオートマチックに打てないということです。つまり、タイガーは”自分の手首の感覚を入れてパットを打ちたい”のだと思います。
もう1つ、「アドモア3」の形状はツノ型になっていて、重り(重量)が両端に配分されています。これは、スイートスポットが広い証拠です。つまり、”タイガーは打ち損じをしたくない”のだと思われます。若い時と違って真芯に充てる確率が低くなったと感じたのかもしれません。以前のスコッティキャメロンのパターよりもその点は易しいパターです。
このように考えると、なぜタイガーがこのパターを選んだのか? 見えてくるような気がします。
↓↓↓こちらが、現在タイガー・ウッズが使用するテーラーメイドの『TP Collection ARDMORE3』。
全英オープンでもその効果は抜群で、タイガーのパットはタッチが合っていました。カップのすぐ横を通過するボールを何度見たことか…。(入ってしまえばいいのに…)
↓↓↓こちらが、タイガー・ウッズが使用しているのと同じパター。『TP Collection ARDMORE3』。
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タイガー・ウッズの使用ボールは、ブリジストン「Tour B XS」
優勝こそしませんでしたが、タイガーの全英オープンでの雄姿を見れたのはうれしいことです。でも、この始まりは、ブリジストンのボールだったと言っていいかもしれないのです。
ブリジストンと契約したのは、昨年2017年1月。
ナイキがクラブとボールの事業から撤退して、アマチュアゴルファーにとっても衝撃だったのですが、タイガーも、新しいギア探しを余儀なくされていました。そして、タイガーが最初に行動したのが、使用ボールの選択だったのです。
タイガーも、「最初にボールが決まらないと、クラブを決めることはできない」とコメントしていました。
タイガーが、各社のボールを徹底的にテストした末に決めたのが、ブリヂストンゴルフの「TOUR B330S」。そして、このボールをベースにして、タイガーの要求に合うよう開発されたボールが、ブリジストンの『TOUR B XS』なのです!
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ブリジストン製ゴルフボールのエピソード(デシャンボーの塩水検査)
タイガーが、インプレッションビデオでも言っているように、ブリジストンの『TOUR B XS』は「安定して」飛ぶようです。
ちょっと専門的なことを言うと、この「安定して」っていうところがミソで、日本の製造技術、量産技術がスゴイことを表しています。タイガーのようなトッププロが同じように打ったら、どの『TOUR B XS』でも同じように飛ぶということなのです。(残念ながら、アマチュアにはわかりようもありませんが…;)
つまり、「ボール一個一個が均一の品質である」ことを表しています。これは日本の製造業だからこそ、成せる技なのです。(最近はクルマの世界で品質偽装など頭にくることがありますが…)
それを証明してくれるプロがいました。デシャンボーという、自称「ゴルフの科学者」という異色のツアープロがいます。彼は自分の使用するボールを、いちいち塩水に浮かせて重心位置を測っているのです。
➡【変わり者プロゴルファー・ブライソン・デシャンボー】ゴルフギアへのこだわりが半端じゃないすごい奴!(ビックリしました~!この記事を投稿した後、つまり2018年プレーオフが始まると、彼は2連勝してしまいました!!)
デシャンボーは、こう言っています。さすがは”科学者”です(^^
「ブリヂストンの球は品質管理が最高です。どのメーカーも球のコアの部分はほぼ同じように精巧に作るけど、ディンプルを施したカバーを成形する段階で微妙に誤差が出ます。塩水に球を浮かべて回転させると、重心が真ん中よりずれている球は水の抵抗が増え、早く回転が止まります」
一般的なメーカーの球は1ダース(12個)中、3~4個が不合格になるというが、同社製(ブリジストン)の球は不合格が1個あるか、ないかだという。
彼の言っていることで、ボールの重心位置が安定していることになります。ということは、プロたちがシビアになるスピン量も一定であることを示しています。
デシャンポーにはこだわりがいろいろあって、他にもエピソードがあるので、別の機会に記事にしたいと思っています。
↓↓↓タイガーの、ブリジストンの『TOUR B XS』インプレッションビデオ。彼もパフォーマンスが安定していて、最高のボールだと言っている。
➡【2018全英オープン】で活躍しそうなゴルフギアは? 松山英樹、タイガー・ウッズ、ローリー・マキロイの使用パターは?