【トヨタがテスラに負ける日?(1)】「トヨタかんばん方式」が、ガラケーとなるか?

日記

LivedoorNEWS http://news.livedoor.com/article/detail/13140608/
「ガラパゴスの悪夢再び。日本車メーカーがテスラに負ける構造上の理由」
2017年6月1日 4時30分

➡テスラ・モータース時価総額は期待値、ビジネスモデルの収益性とマネーゲーム


自動車業界、激動の昨今

まずは「燃費」「EV」「A I」「I o T」どれをとっても自動車業界に大変革を求める技術革新だ。これだけ一度に要素が重なると、将来は誰が予測しても当たる気はしない。

政治情勢が絡むこともあり、変革の要素が全て見通すことが難しいのだ。それでも日本経済にとって、トヨタがこの難関を乗り越えて、世界のトップに君臨し続けてくれないと、日本の再生はないであろう。


”トヨタが世界のトップから落ちるのではないか?”と心配する向きは多くある。それは産業界で生きている以上、どの企業にも常に付きまとう心配事だ。「今は良いけれど…」と経営者は悩み続けるのが宿命。これを理解できずに、日暮を決め込むビジネスマンが「ガラケー」を生み出す元だ。

”日本車メーカーがテスラに負ける構造上の理由」を説明するのに、リーマンショック以降、トヨタがどうやって業績を回復してきたか?、また現在トヨタが推進しているTNGAの意味、を説明できなければならない。

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冒頭で上げたLivedoorNEWS http://news.livedoor.com/article/detail/13140608/
「ガラパゴスの悪夢再び。日本車メーカーがテスラに負ける構造上の理由」
2017年6月1日 4時30分

は、あまりにも素人すぎて、実社会を甘く見ている。最近「アイディア勝負」で事足りると考えている企業家が多数いて、ネットで育ったためか「実用化」「品質保証」の概念が欠落していることが多い。この記事のLivedoor自身がその代表格でもある。

最近では、DeNAのネットサイトがPV(ページビュー)だけを基準に記事を集めたため、嘘と言われてもしょうがない記事を載せて、サイトの閉鎖に追い込まれた。

ドローンに期待する向きもあるが、その安全性確保の動きでむしろ規制が厳しくなり、「実用化」が遠のいている。

アイディアだけでは社会の中で採用するわけにはいかないのが現実社会だ。かつて、自動車量産企業が出来始めたころ、故障があいついで会社がつぶれることが起きて、「品質管理」の考え方が生まれている。それは、昭和初期からの日本の自動車産業の基礎である。

エアバッグのタカタが消え去った。火薬の製造で経年変化を見抜けなかった品質問題だ。実用化技術とはこのようなものだ。

↓↓↓「世界のトヨタ」を走り続けられるのは、実は地道な努力から。日本人なのに多くの人が知らない「カイゼン」の強さを語った本。これを嫌がっていたら、たぶん、日本も落ち続けるかもしれない。現在のネット産業は、製造業の、つまりタカタの事例のような”経営の怖さ”を未だ知らないのだ。

 

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■燃費規制とEV

これから世界は燃費規制が厳しくなって、2020年ごろからはHV(ハイブリッド)でさえ省燃費車と認めなくなってくる。たぶんに自動車業界の政治的動きが世界規模で絡んでいるので、この先替わることも考えられる。つまり、ガソリンエンジンのほうが、発電所での集中発電よりCO2排出量で優秀になることが技術的にはあり得るからだ。

熱交換率で41%を達成したガソリンエンジンは、さらに60%にまで効率化できる可能性が出てきた。こうなると石炭・石油などを使った発電では対抗できないだけでなく、送電ロスなどを含めて自然エネルギー発電でも製造にかかる燃費まで含めると、自動車個別に発電したほうが良いとなることが考えられるのだ。

参考記事:「熱効率60%の内燃機関が可能か?~究極効率のエンジンを生む新圧縮燃焼原理を発見!」

目先、EV一本化が世界で起きるとすると、エンジン・ミッション製造工程が消滅する。これで経験がなくとも、つまり「トヨタのかんばん方式」など高度な「生産技術」を習得していない産業でも、車を効率よく作れる可能性が出てくることはたしかだ。

現在、日本メーカーは「順次生産」など、さらに進歩した中間在庫を省いた生産方式が成果を出している。

しかし、テスラなどがこの技術を持っているとは言えない。メガサプライヤーから部品を集めて組み立てる方式で、商品企画だけで勝負してくるであろう。すると自然に高度な生産技術はすたれていくことになり、2度と高度な「知識集約型の産業」としての自動車生産は出来なくなってしまう。この方が社会的損失は大きい。

※この記事投稿後、テスラは窮地に陥っている。➡【テスラは何を間違えたのか(1)】ファイナンスは経営のすべてではない 天才は必要なし

 

参考記事:「テスラとの提携解消は、トヨタ自ら「変革者」になる宣言か(ニュースイッチ:日刊工業新聞)」~「新興企業をしっかり見ていかないと見誤る」トヨタ首脳の言葉が意味深だ。

■自動車にはメンテナンスが必要

携帯電話や家電製品と大きく違うのは、車には「重要保安部品」があり「メンテナンスが必須」で省くことは出来ない情勢だ。EV化により重要保安部品が減り・・・・【トヨタがテスラに負ける日(2)】「トヨタかんばん方式」が、ガラケーとなるか?➡