【豊洲問題から学ぶ(15)】どんな不良なのか?

日記

東京都の報告書に「ねつ造?」と言えるような記述があったようです。「建物下の地下空間は技術会議から提案がされたもの」とされていたのが、実際には「東京都側から提案し却下されたもの」であったのです。地下空間発覚後、部長クラスが元技術会議座長に嘘の根回しをして、再び却下されてもホームページに掲載したようです。その部長は「連絡取れず」との状況です。

☚【豊洲問題から学ぶ(14)】どんな不良なのか?

人間の知恵の特性「間抜け」

ジェット旅客機が登場した時代、イギリスのコメットが初のジェット旅客機でしたが、就航後しばらくして空中分解が4度発生してしまいました。原因がわからず大きな衝撃を世界に与えたのです。

追求していったところ、どうやら「金属疲労」であると結論付けられたのでした。御巣鷹山に墜落した日航ジャンボ機と直接原因は同じものです。その当時「金属疲労」の概念は飛行機の設計・整備にはなく、ジェット化で高高度まで上昇して、降下してくることの繰り返しで、気圧の変化により、風船のように高空ではふくらみ、降りてくるとしぼむの繰り返しが、金属疲労を起こさせ、亀裂が入って分解したのです。

それから航空機の胴体は試作段階でプールに沈め、幾度となく圧力を掛けたり抜いたりを繰り返して、テストされるようになりました。でも空中分解した当時でも、子供の私もペンチがない時、針金を何度も折って、切ってたのですから、金属疲労を目の当たりにしながら、最先端技術のエリートが思いつかなかったのです。技術は時として必要な「ガイネン」を認識できない過ちを犯すのです。

今度のタカタのエアバッグの不良は化学薬品の「火薬にも賞味期限がある」ことを「設計・保守の概念に入れていなかった」と言う、コメットの時と同じ「間抜け」なのです。

マックはやるべきことは分っていてやらなかった「怠慢」、タカタはやるべきことを見逃した「間抜け」なのです。

許せないのは「怠慢」ですが、被害が大きいのは「間抜け(知恵足らず)」ということでしょう。

東京都の不良=「怠慢」+「間抜け」

そこで東京都の豊洲移転問題で見せた品質不良は、情報共有などやるべきと分かっていながらやらない「怠慢」と、役人組織が本質的に持つ「責任体制がない」ことが、重大な損失をもたらすものであることを「概念」として知らない「間抜け」と両方あるのでしょう。

だれも責任を持たない組織である以上、「誰が・!?」と追及されても仕方がないのでしょうか・?

でも「誰が・!」と追及すると結局、「生贄」の人物がさらされて終わりになり、原因となったメカニズムはそのままになり、いつか再発の可能性が残ってしまうのです。マックのように。

これは人間の本質なのでしょう。

【豊洲問題から学ぶ(21)】処分しても終わらない[1]➡
【豊洲問題から学ぶ(19)】皆さん間違いです・!!
【豊洲問題から学ぶ(18)】8人の処分は政争の具?
【豊洲問題から学ぶ(16)】品質保証から政争を排除せよ!
【豊洲問題から学ぶ(14)】どんな不良なのか?
【豊洲問題から学ぶ(12)】社会の縮図[1]
【豊洲問題から学ぶ(9)】「誰が?」ではなく「何が?」です[1]
【豊洲市場問題から学ぶ(6)】投資とマネーゲーム[1]
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【豊洲市場問題から学ぶ(2)】水はコンクリートの天敵[1]
【豊洲新市場問題から学ぶ(1)】結論ありきの作文[1]