リトラクタブルヘッドライトが一時期流行って、人気だったのはなぜか? 閉じている時の空力の良さももちろんあるだろうが、やっぱりデザインがいいからだろう。ヘッドライトの開閉は子供たちにもすこぶる人気だった。往年のリトラクタブルヘッドライトをもった車種を回想してみよう!
リトラクタブルは、なぜ消滅した???
人気だったリトラクタブルヘッドライトが、クルマのデザインから消滅して久しい。
↓↓↓マツダ・サバンナRX7
リトラクタブルヘッドライトとは、今では見られない格納式前照灯のこと。
日本車では、トヨタ2000GTもそうだったが、1970~80年代には、マツダ・サバンナRX-7、ホンダ・プレリュード、日産・シルビア、トヨタ・セリカ、三菱・GTOなどオンパレードだった。マツダ・ユーノスロードスターはもちろん、トヨタ カローラⅡにまでついていた。
なぜ必要がなくなったのだろうか?
「空気抵抗を削減できるから」、つまり空力が良いとリトラクタブルヘッドライトの必要性を説く話がある。でもそれでは、夜間走行でライトを上げて走行する時、空気抵抗が増えてしまうのをどう弁解するのだろうか?
やっぱりデザインとしてカッコよかった!!!
リトラクタブルヘッドライトは「空気抵抗を削減できる」とする考え方は間違いではないと思うが、むしろデザインとして「かっこよかったから」が正しいだろう。
例えば、以下の画像のように、フォード・リンカーンマークⅣなど、空気抵抗が減るとは考えられないリトラクタブルヘッドライトのデザインもある。
↓↓↓リンカーンコンチネンタル1967。異色のリトラクタブル!
リトラクタブルヘッドライトの裏話
↓↓↓愛車だったことがあるBMW850i(1990)。
①旧BMW・850をかつて所有していたことがある。この車のリトラクタブルヘッドライトでは、スイッチの設計ミスなのか、アップ途中で停止してしまうのに往生した経験がある。
②旧BMW・850で高速道路を200km/h以上で走る時、夕方にヘッドランプを点灯していたが、そのため空力が悪くなってフロントが浮き気味になることを実感したことがある。それでフロントスポイラーの必要性があるなと感じたが、その時はリトラクタブルヘッドライトを下げることが先だった(^^;。
↓↓↓愛車だったことがあるポルシェ924
③スーパーカーブームの頃、ポルシェ・924に乗っていたことがある。信号待ちで通りかかった子供たちに、リトラクタブルヘッドライトを「点灯してくれ」とせがまれて、何度もやってみせたことがある。
リトラクタブルヘッドライトは、やっぱりそのデザインと動きが面白かった!!!
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最近ではLEDランプに変わってしまい、リトラクタブルヘッドライトを採用するデザインは消滅している。でもそれは合理的な結論だと思う。
リトラクタブルにすることは余計な装備になるわけで、重量もかさむし、故障の原因になる可能性も高いからだ。
LEDで十分な照度を得られるのだから、デザイン上の必要がないのならリトラクタブルヘッドライトを採用する意味はないのだろう。
トヨタ・2000GTのヘッドライト
上画像のトヨタ・2000GTのデザインを見ると、下のヘッドランプのように大きく露出しているのはフォグランプだ。
このデザインであるのなら、リトラクタブルヘッドライトを採用する必要を感じない。なのに採用しているのは、空力的な問題ではなく、デザインとして採用していることが窺える。
当時はスーパーカーでもリトラクタブルヘッドライトが人気だったからね。
リトラクタブルヘッドライトは面白い仕掛けだったけど、今では必要性を見出すことが難しくなってしまった。
車の一時代を気づき上げた「デザイン」として想い出にしまっておくのがいいのかも。
LEDのリトラクタブルヘッドライトが出たら、面白いけどね!!!