20年ほど前、知らぬ間に消えていたBMW850の後継車とみられるコンセプトカーが、2017年東京モーターショーに出品されていた。それで思い出すのが、BMW850の故障で苦労した経験である。
東京モーターショーの衰退
まず、今回の2017年東京モーターショーでのことだが、イギリス車とイタリア車が出品を取りやめていたことは大変残念なことだ。
今年の東京モーターショーには「いいなあ」と思えるコンセプトモデルがいくつもあった。 https://t.co/YZEF4MRBTa pic.twitter.com/lxa0yJf3iF
— GQ JAPAN (@GQJAPAN) 2017年12月1日
たしかに、日本ではあまり売れていないようで、力も入らないのであろう。しかし、既に世界市場は中国、インド市場に向かっており、日本市場は縮小の一途である。これを目ざとく反映したのであろうか? ますます、イギリス、イタリア車は売れなくなり、来年以降、復帰もあり得ないのであろうか?
筆者は、ジャガーは1台10年ほど乗ったことがあるのだが、それ以前から幾度となく販売ディーラーで乗り換えの交渉をしたが、イギリス流とは思えない営業の「高慢」に構えた売り方になじめず、商談は成立しなかった。乗ったジャガーの後、やはり乗り換えの交渉で、定価の20%近い、かなりの値引きを示されたが、乗り気にはなれなかった経験がある。
売れない理由には、販売方針のズレがないだろうか? 筆者はマーケティングの専門でもあるが、お客様の事前期待値とのズレがあると、売り上げは伸びない。何か、カイゼン策が必要であろうと思う。
BMW旧850の欠陥エピソード
そんな中、BMWがモデルチェンジ車を出していなかったBMW8シリーズのコンセプトカーを出品しているようだ。
BMW8シリーズの新型!コンセプトモデルの画像や内装を公開【東京モーターショー2017】 https://t.co/brRv4mNTyn pic.twitter.com/UJSiZD7Piy
— CAR BLO (@CAR_BLO_) 2017年11月19日
なぜ、これまで8シリーズにBMWが力を入れてこなかったのかが気になるが、だいぶ昔に筆者が所有した850では、制御プログラムの「バグ」が多く、BMWジャパンとしては直せず往生した覚えがある。
走行中のエンジンストップ
それは、走行中、前触れもなくエンジンが止まってしまう故障で、大変危険な思いをした。200km/hオーバーで走っているときにも突然エンジン停止で焦った。踏切横断中に突然止まったときは、すでに「心構え」があったので、一旦イグニッションを切り、再スタートすると何事もなかったようにエンジンは動いた。それまで幾度となくエンストしていたので、最悪、セルモーターで踏切を脱出するつもりが出来ていたので焦ることはなかった。ディーラーで、4回ほど制御コンピュータを交換したが治らなかった経験がある。
引用:ウィキペディア(BMW・8シリーズ/初代850i)
BMW正規ディーラーの車で、新車の時からであった。どうにか直すように預けていたが、ディーラーには技術力がないと感じた。言い訳をするばかりで、ボッシュのプログラムが修正されないとどうにもならないことを白状していた。しかし、直らなければ危険が伴うので修理を依頼し続けていたが、ついに直せず、「BMWジャパン」の工場に預けてくれと言われたので預けたが、それでも直らなかった。そして、再びエンストが起きたので連絡すると、「そんなことはない」と断られた。今度は、今でいうところの「クレーマー」扱いされた。
その後、仕方ないので腕のあるチューニングショップに頼んでみた。チューナー技術者は「そうなんです」と現象を知っているようで、筆者の車に試乗している最中も見事に「エンスト」した。「ボッシュが組んだプログラムが、センサーから異常を検知すると、全てシステムダウンにしてしまっているのです」とのことだった。V12気筒エンジンであったので、「時として片バンクエンストして6気筒になってしまうこともある」とのこと。「BMW750・V12」と「850・V12」は、中古車で下取りすると、再販せずにつぶしています」との話も聞こえてきた。つまり、V12気筒エンジンに問題があったようである。
引用:ウィキペディア(BMW850iのV12エンジン)
色々聞いて分かったのは、BMW正規ディーラーでも「どうしても直せ!」と言われると結局「メンテナンス放棄」をするしか方法はなかったようだ。実は、BMWの整備士の間では有名な話だったようである。
外車の落とし穴
また、弁護士によると、日本のPL法では欠陥車であることの証明責任があるのはユーザー側なので、データもなく裁判でも証明だきないとのことだった。だから、この件については欠陥車届け(リコール届)も出さずにBMWは逃げ切った形だ。現在の国土交通省も実態をつかんでたが、V12気筒車は輸入が少ないので、社会問題ともならずに終わったのであろう。担当営業マンはというと、BMWの政治力を自慢していた。
これは、欧米の自動車メーカーの問題点でもある。訴訟になると賠償金が大きいので、責任を認めない体質があるのだ。最近では日本メーカーもまねしているのか、「欠陥」をなかなか認めない。しかし、日本のPL法では、ユーザーが泣き寝入りするしかないので、メーカーは出来る限り修理することが信頼を勝ち得る方法論であろう。つづく:【東京モーターショーで気になった1台(下)】バグを退治せよAI技術!BMW8シリーズ・コンセプト
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