自動車戦略で世界をけん引できるか? リチウムイオン電池から全固体電池へ! 克服すべき4つの問題!

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2018年8月、「全固体電池の実用化に大きく前進」というニュース。実用化にまで、あとどのくらいを要するのだろうか? リチウムイオン電池開発においても、実際の研究だけでなく、魑魅魍魎とした政治的な動きも必ずあるのが現実。ぜひ、日本には頑張ってもらいたいと思うのだ。




「自動車新戦略 環境性能で世界に先んじたい」がどうしたらよいのか?

(-マーク後は、上記記事の引用部分。)

EV化で世界をリードするためには、国の力も必要だ。

経済産業省の有識者会議が、エコカー普及に向けた長期戦略をまとめた。

 

エコカー普及の目標

2050年までに、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)といった電動車の割合を100%に近づける。

「近づける」というのが、お役所仕事らしい…。

走行時に排出する1台当たりの温室効果ガスについて、10年比で8割削減を目指す。

自動車製造会社の排ガス不正が多発している。企業自体の問題ももちろんあるが、それを誘発しているかもしれないシステム、検査方法も見直しが必要だろう。カイゼン作業は、どこにおいても有益だ。

 

問題1:EVのデメリット克服

EVはガソリン車より航続距離が短く、充電にも時間がかかる。価格が割高なことも普及を遅らせている要因だ。こうした課題の解決へカギを握るのが、EVなどに不可欠な電池の性能向上や低価格化だ。

ただ、その性能や価格などカタログデータだけをそろえて「ハイ商品です」というクルマを世に出すのも罪だ。タカタのエアバッグのように、検証不十分で、後で大問題となることもあるからだ。

 

問題2:電池に必要な希少金属の調達

主流のリチウムイオン電池の材料である希少金属コバルトを、日本企業が共同で購入する方針。中国勢はコバルトの買い占めに動いている。放置すれば、日本勢によるリチウムイオン電池の生産に支障が出る恐れがある。モーターの製造などにも各種の希少金属が欠かせない。共同購入の対象を広げてはどうか。

これには、企業の力だけでは何ともならないことがある。政府のゆるぎない決意と、交渉力が必要だろう。かつての国産旅客機YS-11以降の日本の飛行機開発のようにならないようにしたい。日本の優秀な技術者を、結局アメリカにとられてしまった。ほとんど公にならないが、現場にいた人間が言うのだから間違いない。

 

問題3:リチウムイオン電池の欠点克服→全固体電池

リチウムイオン電池には、液漏れや発火を起こす短所がある。固体の材料で作る次世代の「全固体電池」の開発が急がれる。日本勢は関連特許の50%以上を持つが、最適な材料の選定や量産方法の確立など、開発には高いハードルがある。世界に先駆けて実用化できれば、市場を主導できる可能性が高まろう。

日本の「現場」の技術力はまだまだ健在。日本特有の国民性は、ズルすることではない。精密さと真面目さと我慢強さ(持続力)を失わなければ、成し遂げられるはず。政府は、上から目線でなく、それを上回る実行力を持ってほしい。

 

問題4:インフラ整備の遅れ

EVや、水素で動く燃料電池車(FCV)の普及には、充電設備や水素ステーションの増強も課題。

日本は、もともとのガソリン車に関わるインフラが確立しているため、ほぼまっさらから始められる中国と差があるのは当然。ただ、既得権益に固執して、脱皮できないのなら愚の骨頂。検証してやるべきことがあるのなら、すぐにやらなければ、本当に後れを取ってしまうことになる。

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