【9.11アメリカ同時多発テロ】はどうして起こったか?~その後の世界の経過 フランスのデモ・元日産カルロス・ゴーン逮捕・ノートルダム大聖堂への寄付に疑問殺到・スリランカ連続爆破テロ

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2001年9月11日、アメリカで突如起こった同時多発テロ。アメリカの象徴ともいえる2つのビルが倒壊していく様は衝撃であり、今でもその時の記憶が脳裏に映像を呼び起こすほどです。イスラム過激派テロ組織アルカイダによる4つのテロ攻撃でした。死亡者は‎実行犯19人を含めて2,996人、負傷者は‎6,291人以上に上りました。この根本的原因は何なのでしょう。いま人類はその明確な答えを持っていないですが、その1つには、資本主義システムの欠点、行き詰まりが見えてくるのです。



資本主義経済は、基本的にバブル経済そのもの

現代は、株式市場の値動きで世界経済が左右されてしまう。

元来、株式の基本は「資産評価」であるはずなのであるが、今後の業績期待感はまだしも、思惑での値動きがあたかも当然のことと受け止められている。

また、投機集団が小国の財政を破綻させることが出来るほど大きな力を持ち、民主主義国家として主権在民の議会制民主主義制度をとる国が、その主権を行使できなくなる場面が多々見られるようになった。(例:1997年のタイを中心としたアジア通貨危機は、アメリカのヘッジファンドを主とした機関投資家による通貨の空売りが発端)

多国籍企業(グローバル企業)が増え、その利害のため、強国が世界の国々に影響力を行使して動かしてしまう。弱小の国々の国民は、その主権すら行使できないのが
現実社会である。

日本においても、主権者たる日本国民の意思と異なる決定が繰り返されていると言い切っても良いのではないか。

もともと、資本主義は経済システムである。つまり、人間が生きていくために必要な一部のシステムだった。決してすべてではない。

そして、企業も利潤を追求するための組織であり、それだけのものであるはずであった。その経済システムが機能し有効になるほどに、人々の頭の中はお金で換算できる価値しか評価できなくなり、教育の現場でさえ、子供の人間としての価値判断が、将来お金になる能力だけに偏ってしまった。 社会が、経済システムだけで成り立つ
はずはないことは、誰もがわかっているのにである。

市場経済は、人間が生きていくのに必要でないものまで、その市場で評価して流通させてしまう本質を持っている。

それも、人間の本質なのであるから仕方がないことであるが、それが行き過ぎて、実態とかけ離れると”バブル”と呼ばれる状態となる。

資本主義が、その資本効率を求めるものであるからでもある。共産主義が官僚主義を呼び、民主主義とはかけ離れた方向に進んでしまったように、資本主義も民主主義とはかけ離れた方向に進んでいることをいま認識すべき時なのではないのか

 

「宣戦布告なき戦い」、テロは”弱者の声”

強大な現在の資本主義国家、特にアメリカに反対することは、その存在すら危うい立場にたたされてしまうことを意味する。 日本でさえも日本の国益を最優先に、アメリカの政策に正面きって反対するとすれば、戦争も覚悟しなければなるまい。 かつての太平洋戦争のようにである。 負けるにせよ正面戦争が出来るほどの力があったのである。

もし、今のアフガニスタンのように正面戦争で対峙したら、一日で勝負がついてしまうような状況になれば”ゲリラ戦”、自国に責めてくるのでなければ”テロ”しか対抗する手段はない。

むろん、テロを容認するものではない。どんなに追い込まれても、テロという手段をとるものは、ならず者以外にはないからだ。テロ集団はやはり犯罪者であり、民主的手続きには結びつくものではない。

しかし一方で、アメリカ一局支配を崩す民主的手段もまた、存在しない。

今回のニューヨークのテロ事件を肯定するものではないが、「宣戦布告なき戦い」を仕掛けてきたのはアメリカではないのか。イスラエル建国のいきさつ、そのイスラエルを支持してきたアメリカ。湾岸戦争に象徴される、石油戦略で強権を振るってきたアメリカを初めとする西側諸国。アラブ諸国の屈辱感は、日本の比ではあるまい。

この日本に暮らしていても、沖縄問題を始めとして、アメリカにモノを言えない屈辱感は日本人にもある。京都議定書を一方的に破棄されても、けなげに仲を取り持つしかないのである。

【テロは弱者の声】との認識は、一面の理を持つものである。

(※この記事は、2001/09/21号「集客の達人」メールマガジンの時事問題の記事から抜粋したものです。)

 

世界のその後、2019年

↓↓↓こちらは、一部焼失してしまったノートルダム大聖堂。

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パリのデモ、ノートルダム大聖堂への寄付も批判あびる

2019年4月15日、観光地としても有名な、フランス・パリのノートルダム大聖堂で火災が起きた。修復作業中だった尖塔が焼けて崩落してしまい、木材で骨格が作られていた屋根の半分以上が焼失した。


その後、続々と有名企業や著名人からノートルダム再建への寄付があり、その総額は8億5000万ユーロ(約1070億円)と巨額になってきている。

「カトリック教徒にとって心の支えである大聖堂を再建したい」という善意からと、表向き言われている。高級ブランドである「グッチ」「サンローラン」などを抱えるケリング・グループの会長ピノ氏は、持ち株会社を通して1億ユーロ(約126億円)を寄付することを発表したが、「税金控除対策のためではないか!」と批判を浴びている。

役員報酬の「世界標準」ってなに?! カルロス・ゴーンの報酬は適正か?

 

日本は傍観者でいられるのか? 広がりつつある貧困

やはり、世界では「貧富の差」が問題になってきている。

「(ノートルダム)大聖堂には1日で100万ユーロ集まったけど、私たちは5か月間抗議しても何も得られていない」(自動車製造業の58歳男性)
(上記記事より引用)

日本でも、以下のようなTwitterが出ている。

一方で、日本では傍観者のようなTwitterが相変わらず多いのだが、彼らは以下のような現実を踏まえているのだろうか? これはかなりの衝撃だ!

↓↓↓日本だけ、賃金水準がマイナス!!!

↓↓↓「日本人の6人に1人は貧困」「単身女性の3人に1人が貧困」

スリランカで連続爆発テロ

2019年4月21日にスリランカの最大都市コロンボをはじめとした国内の8か所で、同時多発的に発生した爆発事件の総称である。コロンボを含む、国内の複数の都市にあるキリスト教教会や高級ホテルが標的とされた。少なくとも36カ国の外国人と3人の警察官を含む290人が死亡し、500人以上が負傷した。(2019年4月23日現在)

引用:Wikipedia

 

 

スリランカでは、 1983~2009年の長きにわたって内戦が続いていて、10万人もの死者を出している。約半数が仏教徒の国であるが、イスラム教徒、ヒンドゥ教徒、キリスト教徒もそれぞれ少数いて、対立が今でも続いている。

特にイスラム教徒は迫害されており、あのISIS(イスラム国)に参加した者もいると言われていて、今回の事件も関連が調査されるだろう。

テロはいけない。だけれど、人権を認められない迫害された”弱者”となったとき、人はどうなるのだろうか? 一度、想像してみる価値はあるだろう。

そして、国民が経済力を落としていくとしたら、日本も行き先どうなるかわからない。起こっている真実を覆い隠しても、現実は迫ってくる。

そうなる前に、「知恵」を働かせておく必要がある。

もっと勉強しよう!そして、あきらめずにもっと知恵を絞ろう!

↓↓↓こちらは、ベストセラーと言える水野和夫氏の『資本主義の終焉と歴史の危機』。資本主義がどうして成り立っていたかを知らない人は、読んでおいたほうがいいだろう。すると、自分が住んでいるこの世界、つまり資本主義の「成長の余地がもうない」ことを思い知るだろう。

↓↓↓現在、働き方改革が身もだえを見せているが、こちらは、独自の知恵で働き方改革を遂げた人の書著。渡邊格氏の『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』。なるほどこういうアプローチがあったか!と思わせる。「金」と「菌」、「職」と「食」の対比は、人間の本来性を思い出させてくれる。つまり、本当は、我々は常に金に振り回されて迷惑しているのだ。しかし気づかずに、金を信奉してしまっているという愚かな状態なのだ。