【豊洲問題から学ぶ(14)】どんな不良なのか?

日記

東京都の報告書に「ねつ造?」と言えるような記述があったようです。「建物下の地下空間は技術会議から提案がされたもの」とされていたのが、実際には「東京都側から提案し却下されたもの」であったのです。地下空間発覚後、部長クラスが元技術会議座長に嘘の根回しして、再び却下されてもホームページに掲載したようです。その部長は「連絡取れず」との状況です。

「タカタのエアバッグ」と「マックのマックナゲット」

この2つの不良には、本質的な違いがあります。これが分かる人は品質保証・管理技術の専門家と言えるかもしれません。いえこれが分からないのなら「経営者をやめろ・!」と言うべきかもしれません。

マックの不良の特性

マックナゲットは「品質管理が出来ていない外注に発注していた」と言う間違いです。発注していて、内部告発があって初めて発覚したのは、マクドナルドに管理能力がないことを露呈しています。「怠慢」とも「無能」とも言える状態です。管理技術を認識できないのでしょう。問題の処置の仕方は、真に「ずうずうしい」やり方で、不良品を食わされた客としては「怒りが収まらない」のが常識と感じます。

不良の原因と抜本的改善策を示すことなく「新製品」攻勢で売り上げ回復を狙ってきたからです。店頭での異物混入など、なかなか防げるものではありません。それはフランチャイズでパートタイマーを使う中では、作業標準化が難しいからです。かなりの組織運用能力が必要です。

タカタの不良の特性

一方でタカタの不良は全世界に広がり、事実上タカタは自主再建は無理でしょう。日本自動車工業会全体で再建するしかありません。

エアバッグの火薬の爆発力が強く、火薬を収めたパイプまで吹き飛ばしてしまうのです。

タカタは火薬として効率の良い硝酸アンモニウムを使ってペレット状にして火薬にできる技術を持っている唯一の企業で、シェアを伸ばしてきました。しかし、硝酸アンモニウムは吸湿性が強く、高温多湿ではひびが入ってしまいます。タカタはそれを抑える技術を持っていたのですが、それが10年と言う歳月の中での耐久性が保てなかったのです。

ペレットのひびが入り、空気に触れる面積が増大したことで、火薬は一気に燃焼、爆発力が想定より大きくなって、周囲の部品を破損、飛散させてけが人を出しているのです。

これはタカタとしては「想定外」で、他の自動車部品の多くのものと同様に、メンテナンスなしで品質は自動車本体の寿命まで、保てるとの前提にいたのです。

結果は、化学薬品で作られた火薬が、それほどの耐久性があると考えるほうが、おかしいことを現しています。考え付くべきでした。

しかし、このことはマックの不良とは本質的に違うことを現しています。マックの不良は「怠慢」と言える側面が強く、タカタは「想定外」の側面が含まれているのです。つまり品質管理体制としては十分に組織もあり運用されていたが、その前提条件の見込みを間違ってしまったと言えるのです。

人間の知恵の特性「間抜け」

ジェット旅客機が登場した時代、イギリスのコメットが初のジェット旅客機でしたが、就航後しばらくして空中分解が4度発生してしまいました。・・・つづく

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