2016年の日本カー・オブ・ザイヤーはスバル・インプレッサ・スポーツ/G4が受賞です!
アイキャッチ画像出典:http://www.subaru.jp/impreza/impreza/safety/safety1.html
スバル・インプレッサ、受賞理由
スバル・インプレッサが日本カーオブザイヤーを受賞した理由は次の通りです。
(1)衝撃吸収・横揺れなどを抑える車台による走行性能の向上。
(2)歩行者保護エアバッグ標準装備。
などとなっています。
この(1)の理由については「スバル・グローバル・プラットフォーム」と呼んでいるボディーの開発がその根底にあります。
その正体を理解できるように解明していきましょう。
筆者は製造業(車両関係)の工場経営をしていましたので、ちょっと専門的になってしまう箇所があるかもしれません。
スバル・グローバルプラットフォーム
■剛性アップと軽量化
スバルグローバルプラットフォームを一言で示すなら、「剛性の強化」、剛性アップです。
ボディー剛性を強化することのメリットは、
①ボディーの「質感」が上がる
②「走行性能」が向上する
ことです。
本命は②の走行性能が上がることです。これは、ユーザーにとっての本当の商品価値です。
もちろん剛性を高めるため、製造工程で補強していることになりますが、それによって車重が増加して重たくなっては燃費の点でマイナスとなってしまいます。
なので、むしろ大幅な軽量化が必要なのです。この相反する要求を実現するには、製造技術の進歩がなければなりません。
スバルでは「動的質感」と表現して「商品」としてのポイントを表現しています。
その中身は、ボディーの構造変換と材質の進歩です。
しかも、販売価格は「安価」でなければなりません。製造者としては頭の痛いところです。でも、日本の製造業は、「質と安さ」を両立してきたことにおいては世界一だった?のです。(?マークをつけたのは現在は違うのではないかと思うからです。)
衝突安全性・燃費向上などは、「質感」として現れるものではなく、実際に乗ってみて分るので「動的質感」と言います。しっかりしたボディーの感覚、走行安定性、操舵性などは、乗ってみて操縦してみて実際に体感できるものであり、これらを合わせたものが「動的質感」なのでしょう。
これを実現するにはサスペンションの出来が一番の問題です。
そのサスペンショうンを取り付けた、ボディーが簡単に歪んでしまってはセッティングが決まりません。剛性の増したボディーが実現する性能として操縦性能があげられます。サスペンションセッティングに的確に反応できるボディーです。歪まず、ねじれず、サスペンションを取り付けることを考えて、ボディー全体、サスペンション取り付け部などの強化を図りつつ、軽量化を進めています。
その材質は、ホット・スタンプ、ハイテン材などを多量に使って、強度を上げ軽量化しています。「2025年までの伸びしろを考えた」としていますが、一つの懸念は、これからの材質としてはカーボンの使用があげられますので、後れを取る懸念です。BMWi8、BMWi3などすでにボディーの居住スペースを丸ごとカーボンで造るなど、進歩が激しくなっています。
クルマと言う商品価値の表現
■プリウスの場合
剛性が低いボディーではサスペンションの動きとは別に、ボディーがねじれたりすることで、乗り心地が損なわれます・・・➡【インプレッサ・カーオブザイヤー(2)】威力あり!グローバル・プラットフォーム
【新型スバル・インプレッサ試乗記(1)】別次元の挙動[1]➡
【スバル・インプレッサ 日本カー・オブ・ザイヤー受賞】その理由は?➡
【TNGA(Toyota New Global Architecture)-1】➡