【グローバル発注と系列】決め手は部品数激減

トヨタ・TNGA

2000年メールマガジン発行と共に、最も注目してきたテーマです。現在、日本式系列を率いてグローバル企業となっている代表はトヨタ、コマツです。日産はもとより、ホンダ、マツダなど日本企業もグローバル経済の波に飲み込まれて、系列を持たない体系になりつつあります。

系列とサプライヤーの関係は、単に資金効率の問題と捉えるのは間違いでしょう。労働者の権利と資本の力との戦いの表れでもあります。

【グローバル発注と系列】カルロス日産と章男トヨタの戦い[1]


右傾化から共産化へ

自動車産業が取り巻く技術革新の波は「第4次産業革命」と言われる時期に差し掛かり、地球温暖化対策としての省エネの動きと、資本の巨大化と絡んで、世界経済の抜本的問題となっているのでしょう。労働者の権利がないがしろになる中で、資本の力は絶対的になりつつあり、社会の利益は一方的に投資家の手に集中していくメカニズムです。これが資本主義の本質で、興味深いことは産業革命が起きた初期の頃と同じように、資本家の権力が絶対となり、社会の人権も握っていった経緯が繰り返されていることです。


それは現代では、世界的に所得格差の大幅な拡大となって表れており、社会主義から共産主義と世界の政治が傾いていったと同じように、今世界では右傾化の流れが起きています。それはちょうどドイツでナチスが覇権を握っていって、後に共産革命が続いて起きていったことを思い起こさせます。

部品の激減が根本の問題

現在、自動車産業で起きていることは、

①「I o T」と言われるネットで結ばれた環境での技術革新

②地球温暖化に伴う脱石油エネルギーの最先端として、車に省燃費、脱石油エネルギーを求める動き、

③「A I」による自動運転の流れの3つが同時に起きていることです。

その中で電動化の動きが進んで、自動車の部品点数が極端に少なくなることで、産業構造そのものが根こそぎ変わることが目の前に迫っている事実です。

電動化が進むと、まず内燃機関つまりエンジンがなくなることです。モーターによる駆動になると基本的にミッションが簡素化されて、複雑な構造をしていた車が、ゴーカート並みにシンプルになることが明白なのです。

その中でトヨタは現在、HV(ハイブリットエンジン)でより複雑な構造と部品点数の多い状態で生産、コスト低減に成功しています。それがEV(電動)となると、部品点数の多い構造でも低価格で作れる生産技術の必要性も極端に減少し、品質管理もより簡素化できることになります。これは自動車産業が、工程・工数が減り、生産技術が低いレベルでも行える状態となり、抱える労働者が1/10程度になることを意味しています。

より簡単に参入出来、巨大な失業者が出ることを意味しています。これによって自動車産業の構造が激変して、「業種が変わってしまった」と言えるほど変化するのです。

作り方からサービスに

これまでの自動車産業は「造り方」が勝負でした。生産技術的に優れた企業が生き残る世界です。部品点数が多く・・・・【グローバル発注と系列】自動車メーカーは消滅する?➡

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