【自動車ジャーナリストの姿勢(2)】自動車ジャーナリストの立ち位置はこれで良いのか?

自動車

車の営業マンに「この車はどこが故障しやすいの?」と必ず聞いてみます。「でも機械なのだから弱点はあるでしょう」とたたみかけます。「故障がないのなら欠陥車の届け出がこれほど出るのはおかしいでしょう?」と追及すると、多くの営業マンは逆切れします。

「他社の車の雑誌記事を読むと、こんなに良い訳がないと感じますよ!」と正直な答えが返ってきました。最近の自動車ジャーナリストの姿勢は「批判をしない」ことに徹しています。

➡【自動車ジャーナリストの姿勢(1)】評価基準

☚【新型スバル・インプレッサ試乗記(1)】別次元の挙動[1]
➡【ドナルド・トランプ大統領の「もう一つの事実」(1)


自動車ジャーナリストの立ち位置はこれで良いのか?

「カーグラTV」は、現在では松任谷正隆氏、田辺憲一氏のトークで解説しているのですが、「ほとんど感覚論」で両氏の感じている様を並べるので「自動車文化」と言った見方が新鮮でした。しかし同時に「何が基準か?」と言えば両氏の感性ですので基準はないのです。その怖さを現在は感じながら聞き入っています。ですので必ずしも「正しい評価」でないことを前提にしなければなりません。「両氏の車感」であるとの難しい受け止め方を強いられています。つまり自分の感性とは全く違っていても、記事の内容とのすり合わせも出来ないのです。


よく自動車雑誌を読んでいたころにベンツ・Sクラスを買ったところ「塗装だれ、錆、フロントガラスに傷」などが新車納品されたときからあったのには驚きました。「塗装が良い」のもベンツのうたい文句でした。また新車の時から室内で「びびり共振音」が響いており、日本車では経験しなかった不良でした。BMW850を買うとエンスト、アラームの誤作動などが続き、実用になりませんでした。

雑誌の記事で、出来上がっていた高級車のイメージとは似ても似つかない姿でした。その後、整備士などに聞くと「周知の問題点」だそうです。雑誌情報では決して出ていないことでした。

カーグラフィックに「BMW850の問題点を取材しないか?」と問い合わせしたところ「問題点は取り上げない」との姿勢で一貫していました。「ドイツ車の品質の高さは雑誌社が作り上げた幻」とも感じる状態です。

人類に対する背信

最近ではVWの燃費をごまかす制御プログラムが問題となりましたが、私は取り上げた自動車ジャーナリストの記事をネットも含めてみていません。これは如何にせよ「ジャーナリストの本分」を逸脱した「よいしょ」でしょう。自動車ジャーナリストのモラルが問われる事態です。

地球温暖化の問題を乗り越えようとする人類全体の努力に背信するVWの姿を、明確に批判すべきが本来の役割のはずです。

トランプ政権が始まってジャーナリズムを信用しない人々が増えているのが気にかかります。

「もう一つの事実」と平気でうそを言えるアメリカ現政権の姿勢に恐怖心を抱くのですが、これを踏まえて、自動車ジャーナリズムのモラルを考え直してもらいたいものです。

➡【トヨタ・C-HR】TNGA第2弾「本物の資金効率」(1)
➡【ドナルド・トランプ大統領の「もう一つの事実」(1)

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