【ハイブリッド・エンジンの基礎知識(3)】内燃機関

エンジン

2016年の世界情勢で、車の燃費をさらに向上させることは必須の目標です。ヨーロッパ(EU)の2021年の規制ででは、日本のJC08規制より実走に近い規制で、日本の誇るハイブリッド車であるプリウスの40km/Lでもクリアすることは叶わないと見られています。
そこでハイブリッド・エンジンを主として、現在の自動車用エンジンについて、周辺知識を含めて基礎知識を確かめておきたいと考えます。




【ハイブリッド・エンジンの基礎知識(2)】蒸気機関へもどる

内燃機関の種類

前記事でもわかる通り、外燃機関である蒸気機関より内燃機関が圧倒的に効率の面で有利であることから、自動車用エンジンなどとして広く使われてきました。

飛行機などでも長く使われてきたのですが、ジェットエンジンの登場で一気にレシプロエンジンは駆逐されました。

それは、プロペラを介して推力を得ることの効率の悪さがあり、ソニックブーム(音の壁)などの問題で技術的に限界が来ています。

 

レシプロ・エンジン

レシプロエンジンとは、ピストンの往復運動をクランクシャフトを介して回転運動に変えるエンジンを称しています。

自動車用エンジンとしては大多数を占めています。現在、このエンジンの熱効率の向上策が図られており、この10年で急速な進歩を遂げてきました。

レシプロエンジンの仕組み

4-Stroke-Engine (1)

これは1シリンダー(気筒)の断面図です。自動車用エンジンではレシプロエンジンでもその大多数は4サイクル(ストローク)エンジンです。

動画1吸入

動画2圧縮

動画3爆発

動画4排気

の2回転で4動作を繰り返していきます。バイクなどでは2サイクルエンジンがあります。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/レシプロエンジン 

 

ジェットエンジン(タービンエンジン)

ジェットエンジンの仕組み 

ジェット・エンジンの動作原理(詳細図)

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェットエンジン

ジェットエンジンは、航空機用エンジンでよく知られていますが、アメリカ軍のM1戦車にも使われています。

純粋なターボジェット・エンジンから、国産旅客機YS-11に使われたターボプロップ、現在では燃費向上のためほとんどの航空機でターボファン・ジェットエンジンが使われています。

自動車用としてはスピード記録挑戦のための特殊車両を除き使われていません。

ロータリー・エンジン

ロータリーエンジンの仕組み

Wankel_Cycle_anim_ja

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/ロータリーエンジン

世界で唯一、日本のマツダが実用化に成功したエンジンです!

ヴァインケルンの特許を買い、実用化に成功したロータリーエンジンでした。

レシプロエンジンに対して排気量で1/2で同じ出力を出し、ツーリングカーレースで50連勝を誇った初代GT-R(C10)を破ったことで有名となりました。

「これからロはータリーの時代!?」と思われたのですが、石油ショック以降、燃費の悪さで実用化が難しくなっています。

しかし、その燃費以外の効率の良さから、マツダはあきらめていないようで、燃費規制をクリアした車両を開発しているようです。日本だけの宝物ですので、将来ぜひとも復活してほしいものです。

現在(2020年に入って)、もしかしたらロータリーエンジンが、欧州で浮上してきた水素エンジンに最適ではないかという論調が出てきました!

ロータリーエンジンのメリットが活かせるかもしれません。ガソリンと水素をハイブリッドに使用できるようで、さらなる期待を寄せます!⇒EVより地球温暖化対策にいい「水素エンジン」!? マツダ・ロータリーエンジンも使えて、実現可能か!?

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