【ハイブリッド・エンジンの基礎知識(4)】レシプロエンジン

エンジン

2016年の世界情勢で、車の燃費をさらに向上させることは必須の目標です。ヨーロッパ(EU)の2021年の規制では、日本のJC08規制より実走に近い規制で、日本の誇るハイブリッド車であるプリウスの40km/Lでもクリアすることは叶わないと見られています。そこでハイブリッド・エンジンを主として、現在の自動車用エンジンについて、周辺知識を含めて基礎知識を確かめておきたいと考えます。




【ハイブリッド・エンジン(3)】内燃機関➡

レシプロエンジンの種類

レシプロエンジンは、現在の情勢では自動車用エンジンとして最も多く使用されているエンジンです。ハイブリッド・エンジンとしても発電用には必ずと言ってよいほど使用されており、まだしばらくは主役の座にとどまることでしょう。

クリーンディーゼル・エンジンも単体で、これまで燃費規制をクリアしてきましたが、2021年以降、EUとカルフォルニアでは走ることが出来なくなるかもしれません。この後は水素と電気が自動車のエネルギーとなるのでしょうか?

ことは簡単ではないようです。

蒸気機関

国産蒸気機関車230型

国産蒸気機関車

出典:ウィキペディア/https://ja.wikipedia.org/wiki/日本の蒸気機関車史

蒸気機関車もレシプロエンジンであるのですが、その効率から蒸気タービン・エンジン以外は生き残れないでしょう。原子力発電が取りやめとなっても地熱発電などで利用され続ける可能性はあります。

 

ガソリン・エンジン

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出典:ウィキペディア/https://ja.wikipedia.org/wiki/直列6気筒

ガソリンエンジンの熱効率向上技術はいまだに伸びしろがあるとされており、プラグインハイブリッドの普及とどのような関係となっていくでしょう?

トヨタは熱効率40%のエンジンを既に市販していますが、F1エンジンでは50%を超えており技術的には、まだまだ向上できるようです。バッテリー性能との兼ね合いが見所です。

➡熱効率60%の内燃機関が可能なのか?

 

ディーゼルエンジン

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出典:ウィキペディア/https://ja.wikipedia.org/wiki/ディーゼルエンジン

マツダのディーゼルエンジンは、この点に関してもかなり解決しており、煤(すす)を排除するとき以外は静粛性においてもガソリン車に近づいてきたようです。

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンとの違いは、爆発工程において点火プラグで着火するのではなく、圧縮して熱くなった空気に燃料を噴射することで自然発火する方式です。そのため、ガソリンエンジンに比べて圧縮比が大きく、ノッキングが起きやすい性格があります。振動が大きく、音も大きなことから日本では高級車にふさわしくないとされてきました。

スバル・アテンザ・ディーゼルエンジン

出典:http://www.mazda.co.jp/cars/atenza/feature/skyactiv/ 

日本では嫌われてきたディーゼル・エンジンですが、マツダが世界戦略としてクリーンディーゼルで成功したことにより、日本国内でも市場を開拓して、逆にヨーロッパ勢が日本国内に進出し始めています。

これからは、プラグインハイブリット(PHEV)をEUは進める意向のようで、EV走行で50kmを超えると燃費性能を3倍に評価する方針です。日本車のガソリン・エンジンとモーターのハイブリッド技術を抑え込みたい狙いもあるようです。モーターとのハイブリッドで発電用にディーゼル・エンジンを使ってくる可能性もあります。コスト面も含めての戦いでしょう。

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