【皇帝ミハエル・シューマッハ】F1歴代最高の戦績[2]~F1ドライバーの2つの才能

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F191勝、ポールポジション69回、年間ドライバーズ・タイトル7回、間違いなくレジェンドです。その一方で、危険な追い越し接触事故などを繰り返し、「危険な男」と評されています。今年も鈴鹿にF1レースがやってきました。




☚【皇帝ミハエル・シューマッハ】F1歴代最高の戦績[1]

フェラーリ再建の英雄

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出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/ミハエル・シューマッハ

フェラーリの戦績が振るわず、チームとしての体裁も疑われる状態の中でシューマッハがフェラーリに移籍します。

「F1パイロット」には2つの才能が要求されます。

1つは「速く走るドライビングテクニックです。当たり前ですが、残念ながらこれだけでは一流にはなれないのです。

2つ目は、マシン開発能力です。自分が乗っているマシンの良さ、未完成の部分を見抜いて、どこをどのように改良していくべきかをメカニックにアドバイスできる能力です。それも、長期に関わるマシン開発のコンセプト、年間の熟成に関するアドバイス、そして1レースごと、セッティングに関することです。それも競合他車の情勢を読みながら作戦を考える能力です。

 

ただただ、自分が速く走ることを求めていくタイプとしては、ナイジェル・マンセルでしょうか?

マシン開発に強かったのは、ホンダのデビュー当時のジョン・サティースが印象に残っています。

ウイリアム・ルノーが全盛期であった当時のドライバーとしてナイジェル・マンセルは成功したのであり、不調に苦しむフェラーリであったのなら、活躍は難しかったでありましょう。

アイルトン・セナは、この2つの能力を持った特別な天才で、「F1は走る実験室」と位置付けていたホンダにとってはなくてはならない存在であったことでしょう。セナもホンダと出会ったことで、その才能が花開いたと言えます。

そして、フェラーリを再建したシューマッハは、この2つのタイプに「政治力」を加えた特別の才能の持ち主と見るべきでしょう。しかも「アスペルガー症候群」を疑われる強引さが、当時のフェラーリには必要であったのであり、この2者の出会いも運命的なものを感じます。

 

幾度もチャンピオンになったアラン・プロスト、セナやシューマッハは、チャンピオンの中のチャンピオンと考えられます。長期のマシン開発のコンセプトを見定め、設計・製作・熟成させることができます。レースの現場で、すべてのシステムを熟成していける能力が高い人材なのでしょう。

シューマッハは良く言えばカリスマ経営者のように、悪く言えば独裁者のように、自分中心に組み立てる能力が高いと考えられます。無謀であり、人命を危険にさらしても反省が出来ないところもあり、天才的能力を示す一方で、他人の立場を理解できないことなどから、アスペルガー症候群を疑われる存在でもあります。[3]につづく

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