【霞が関カンツリー倶楽部女性会員(2)】政争の具となったゴルフ

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五輪ゴルフ会場「霞ヶ関CC」に今ごろ異論が急浮上した理由
週刊ダイヤモンド編集部 2017年2月1日

小池東京都知事の狙い

2017年1月13日小池東京都知事は「21世紀の世の中で女性がプレーできない・・・」と批判したのですが、それは森大会組織員長の発言に関する強烈な切り返しで、「スカートをはいた大臣がいるのに・・」と霞が関カンツリー倶楽部の姿勢を間接的に批判して、開催場所の変更などの問題から距離を置いた姿勢を示しています。

ごもっともな発言に聞こえるのですが、どうも小池東京都知事は全ての問題を政争として捉えるようで、問題の本質をゆがめてしまい、熱烈な女性支持者に向けたメッセージを強烈に発信するところは、トランプ・アメリカ大統領に似ています。


ゴルフ文化を見直すきっかけとする

純粋にゴルフ文化としてゴルフ場には「名門」などの「格付け」が厳しくあり「ブランド志向」を助長する風習があります。時代錯誤であると見るのが一般的ですが、オリンピックの正式競技になるのであれば、「差別」は解消する方向に向かうべきで、閉鎖的な「名門クラブ」の在り方を考えてみる良い機会でしょう。

イギルス貴族の遊びであったために、エリート意識と差別意識の塊のようなゴルフに対する認識は、スポーツを楽しむ人には無用のものです。

太平洋クラブの民事再生の折、「太平洋クラブを名門」と呼んだマスメディアの言葉に、強烈な違和感を感じたのが正直な私の気持ちです。極めて大衆的な共通会員権のクラブであると認識して入会していましたので、旧住友銀行経営など経営母体の信頼度などはありましたが、結果は会員に明確な知らせもなく売却するなど、極めて不誠実な対応になり「名門」などと呼ぶにはふさわしくない経緯をたどりました。

第一、メンバーの入会審査は殆ど行われておらず、トーナメント開催コースを所有している事だけが「ブランド」と言えばブランドでした。会員の礼儀作法も、現在のクラブの主流「勝手連」の通り、極めて悪く、とても名門とは言える所作ではありませんでした。

このような無理やり「ブランド」を形成しようとする考え方には「へきへき」します。ゴルフ場の評価基準としても「名門」などと言った格付けを廃止して、ポピュラーなスポーツとしての普及を願いたいものです。

まして政争の具とされるのであれば、オリンピック開催を霞が関カンツリー倶楽部も、これまでのクラブのゴルフ文化を保持するのであれば、拒否すればよく、「女性差別」との現代においての社会からの「蔑視」を甘んじて受ける覚悟を見せればよいのです。政財界の大物が居並ぶクラブが、どのような姿勢を見せるのかが、これからのゴルフ場業界の行く末を定める良い指標になるかもしれません。

【霞が関カンツリー倶楽部女性会員】オリンピックの新しくて古い問題

 

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