【PGA「ゴルファーライフスタイル調査」】詳細版・経過報告[3]

アコーディア・ゴルフ

経過報告[1]でご報告したように、ゴルフ市場関係者が「やるべき方向」は極めて明瞭にデータに現れていました。

1.誘ってもらって、2.仲間と気楽にやりたい放題、3.楽しんで健康に良い運動】であること。

①スコア100を切れないゴルファーが60%。
②ゴルフは仲間と一緒。
③本気でスコアアップは考えない。
④もっと気楽に、安く健康に。
⑤知らぬうちにスコアアップ。

このニーズを満たせば「市場、つまりお客様」は反応するのでしょう。

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ゴルフ市場とは「草ゴルフ」の世界

そもそもゴルフ市場とはいかなるものか?説明してください。

野球の世界は日本に古くからあります。プロ野球の観客動員数の問題が、PGAのトーナメント観戦者動員数と同じ問題です。しかし、草野球の参加者人数に、プロ野球はあまり関心はありません。野球はグラウンド運営商売とは殆ど関係ありません。公営のグラウンドなどを使用しているのが「草野球」です。ゴルフはトーナメント開催、観客動員数でことは足りません。「ゴルフ場利用者」が増えなければならないのです。つまり「草ゴルフ」参加者の動向がゴルフ市場の動向を決めます。プロ野球、プロサッカーとの違いです。これがゴルフ場関係者がプロゴルフの世界を相手にしているのではないことの理由です。

ゴルフ・レッスンプロは、プロのコーチではなく「草ゴルフ」を盛んにする役割です。野球ではプロのコーチが草ゴルフのコーチを務めることは稀でしょう。行ってもサービス程度です。イベントでしかありません。

しかし、草野球動員数を上げるとなると、プロ並みのコーチは必要なく、また根本的にプロ養成とは違う技術が必要です。これまでゴルフ・レッスンプロの大多数は「プロ養成」のようなコーチングをします。大多数(99.7%)のゴルファーが求めていない技術レッスンになっているのです。


ゴルフ・レッスンプロの教授は的外れ

ゴルフ・レッスンプロでなかなか的を得たレッスンをするプロと話していました。

「家で色々研究すればいいじゃないか!」と自分で研究することの不足しているゴルファーに対する不満を口にしていました。確かにゴルフ・プロになる人は1日に300球は打ちます。私など1カ月に100球程度です。これでうまくなるはずはありません。

でも私は1日に12時間、決算データを解析し、組織の問題点を改善し、プログラムの訂正を指示し、現場を視察して、問題点を見つけ出し、改善を指示します。こんな生活を40年以上してきました。その意味で仕事のプロです。草ゴルファーは、皆さんゴルフ以外のプロフェッショナルなのです。日頃、ゴルフ・プロが300球練習するとすれば、私の現役時代はプロゴルファーの1日500球以上の練習に相当するほど、自分の仕事のプロです。

ゴルフのプロでない私のゴルフに期待するものは「接待ゴルフ」であり、現在は「余暇を楽しむ」ことです。ゴルフのプロになることではありません。それで邪道であるとの姿勢がゴルフ関係者から感じられるのでは、付き合うことするら面倒になります。

ゴルフを通じて楽しい余暇を過ごしたいのです。そのため「スコアアップを狙う」のであり「飛距離を追及する」のです。月例であっても競技の場で争うことはストレスで楽しくありません。せいぜい「草競技」すなわち「素人コンペ」ぐらいです。

これが50~70歳台のゴルフです。「現状維持」と答えが出ていますが、「それは健康維持」と同意語であると解釈すると、大変近い答えとなります。そこに「フィットネス・クラブ」等とのコラボも見えてくるのです。ゴルフ用品とのコラボの要点も同じです。

レッスンプロは不要なのか?

それではレッスンプロは不要なのか?と言えば、真逆でレッスンはゴルフの楽しみを倍加する魔法の杖です。

100を切れないゴルファーはやめてしまうと言われています。確かに90前後でラウンドしているときと100を切れない時では、ゴルフが違って見えます。80前後でラウンドしているときは「これがゴルフだよ」と感じます。コース戦略の意味も痛烈に感じますし「ミスを前提にコース戦略を考える」ことが良く分ります。飛距離の意味も別世界に感じますし、アプローチの技を増やすことの大切さも感じます。「パットのライン読み」も次元が違います。「同じ自分がゴルフをしているのか?」と思うほど世界が違って見えてきます。

道具との関連性も別世界です。「アイアンのバンスを使うのか否か?」など90のゴルフでは見えなかった世界が見えてきます。年を取って感覚を失っていく寂しさも感じられます。

これほどの奥行きのあるゲームをレッスンプロが導けるのなら、それは大切なことです。大部分のゴルファー、また国民は、このゴルフの楽しみを味わえないことは、気の毒なことです。プロゴルファーの貴重な役割を認識してほしいものです。

レッスンプロが活躍する場を、「お客様のニーズに合わせる」ことをゴルフ関係者が理解できれば造り出すことが出来るのです。

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