【大阪ダブル選挙、2011年は圧勝】大阪維新の会はどこを目指すのか?「国民主権」?「大阪都構想」?

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2011年11月、大阪のダブル選挙が行われた。大阪維新の会・橋下徹氏が、大阪府の「知事」を任期途中で辞めて市長選に出馬。投票率は60%を超え、橋下徹氏が圧勝で大阪市長となった。府知事も、大阪維新の会の松井一郎氏が当選。(→その後、2019年にもダブル選挙が行われることとなり、これも大阪維新の会の勝利となる。市長は松井一郎氏、府知事は吉村洋文氏)民意の求めるものは、何なのだろうか?



 

大阪ダブル選挙、橋下氏の圧勝!コレが何を意味するものか?

中東でも「アラブの春」、民主化の革命が起きています。一方で、21世紀になっても独裁国家がこれほど多いのにも驚かされています。
中国は共産国家のはずでありましたが、今となっては、共産党1党独裁国家といわざるを得ない状況。官僚支配の国であります。

しかし、振り返って日本が、この官僚支配の国であることを認識しなければならない。図らずも、東日本大震災での原子力発電所の事故で、電力企業、官僚組織、東大を中心とした原子力研究者たちの一大権力構造が露呈してきました。

原子力行政が国民主権を無視して勧められてきた実態が、「原発は安全」とのウソの説明がばれて、日本経済界を支配、政治を支配してきている、如何に強大な利権であるのかを見せ付けています。

橋下氏が目指す政策は、この既得権益と真っ向から衝突するもので、電力業界、いや経済界全体、それだけでなく公務員組合、労働界をも敵に回す「革命」と呼ぶべき動きであります。
橋下氏がどれほどまで理解しているかは別として、正論で突き進むことで、全ての既成権益と衝突することが考えられます。これは「暴力革命」と同等の内容を目指すものであります。

人間は、組織を作ることで生活し、地球の支配者として繁栄してきました。
生物学的にも社会学的にも物理学的にも、あらゆる面で、「社会システムを如何に作り上げるか」で、その繁栄は決まる運命にあります。
人間とはそのような生物なのです。

しかし、人間が作り上げる組織で完璧なものはありません。いつか陳腐化して、社会組織が人間と衝突することになるのです。そこで革命が起きなければ人間は、自然界に適応できずに滅びることになります。
国家の社会制度も、その歴史を振り返れば、創造と革命の歴史であります。

今、日本は、経済的にも人口的にも疲弊していきます。中国を初めとした新興国に追い抜かれ、現在までアメリカに服従してきた戦後の歴史のように、何れ、アメリカ以外のどこかの国の支配化に陥る危険さえ現実のものとなってきています。
これは日本の既成の社会組織が陳腐化し、現実に対応できなくなっているのです。

陳腐化の原因は、電力業界の如く、また官僚組織の如く、既得権益にしがみつき、革新を妨げる力が働いているからです。革新の力が弱いのは、国民の自覚が無いからです。

大阪府で始まった「革新の風」が、日本全体を革新できるか否か?

どれほどの激しい権力闘争がこの先待ち受けているか。想像することさえ出来ません。

この日本を支配しているのは、極少数の既得権益を傍受している人々です。
しかし、公務員組合を初めとして、民間組合の労働組合さえ、この既得権益に組み込まれている現在の日本では、橋下「大阪維新の会」は、国民の大多数を敵に回しかねない状況に中にいます。それは、多くの労働組合員である国民が、現在の既得権益である公務員組織、企業組織の都合に従うことが、自分の主権さえも奪われてしまっていることであるのか、気付かないために、敵味方を取り違えてしまうことにより起きています。

ギリシャの公務員が、国が倒産し他国の援助を必要としている状態の中でも既得権益にしがみついて、ギリシャそのものだけでなく、広く世界経済を危機におとしめ、自分をも滅びることに気付かないようなものです。

橋下氏が進める革新の方向が挫折したなら、次は、ギリシャのようになってから暴力革命により革新されるまで日本国は落ちていくしかないでしょうか。

↓↓↓こちらは、橋下徹氏と堺屋太一氏が大阪都構想についてとことん論じあっている、今となっては貴重な本でしょう。2019年2月8日、元経済企画庁長官で作家の堺屋太一さんは83歳でこの世を去ってしまいました。

 

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