4スタンス理論のA1・A2・B1・B2の4つのスイングタイプとゴルフクラブの関係を考えます。道具とヘッドスピードとの関係は良く言われるのですが、スイングタイプでゴルフクラブの特性を合わせる必要があるのでしょうか?
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飛距離とロフト角との関係
ヘッドスピードを余すことなく受け止め、ボール初速に換える最も効率の良いロフト角は、物理的には0度です。これは疑いのないところで、ロフトがあると上向きのベクトルが生じて、その分は前進する力からマイナスになりボール初速を落としています。物理や数学の勉強を思い出してください。ベクトルはというと?そうあの矢印の図式です。
ボール初速だけを考えるとドライバーヘッドのロフトは決まりますが、それでは逆スピンがかからず空気抵抗ですぐに落ちてしまいます。上に向けて逆スピン0で打ち出しても、逆スピンのかかったボールと比較すると半分以下の飛距離しか出ないと言われています。
プロ野球の剛速球ピッチャーでも、バックスピンを掛けないようにした球種、フォークボールやナックルではバッターの手元で大きく落ちていきますよね。逆スピンをかけた速球では、バッターの目からはホップしているようにも感じるようです。
最新鋭のドライバーの謎
アメリカのゴルフギアメーカーであるテーラーメイドとキャロウエイでは、プロに対しても10.5度や12度など極端に多いロフトのあるヘッドを勧めています。さらにはジャンボ尾崎が始めた「アッパーブロー」のヘッド入射角をトッププロが実践し始めて飛距離を伸ばしてきました。これは如何なることか??を考えて、ドライバーヘッドを選ぶときのヒントを探りましょう。
上のYouTube動画を見てみましょう。アッパーブローで打ち出すと言われているジェイソン・デイのドライバースイング。ヘッドスピードは54.5m/s。なのにロフトは10.5度です。使用クラブはテーラーメイド M1。
最近、PGAトーナメントプロのトッププロたちの間では、打ち出し角度の飛距離に関係する割合がかなり大きいと感じるようになっているようです。
逆スピンが1,500rpm以下と少なくても、打ち出し角度が大きければ飛距離が出ることが分ってきたのです。
だから、プロなのにドライバーヘッドのロフトは10.5度などアマチュアゴルファー向きと言われる大きな角度になっています。これは、最近の進化したボールとヘッドの設計が逆スピンを抑えるようになっているので、ある程度のロフトがあった方がキャリーが出るとメーカーは考えたようです。
ならば、ヘッドスピード、すなわちインパクトの力はロフトのおかげでボール初速に伝わらずにロスしてしまうことが予測されます。ってことで、無理に低スピン化ヘッドは必要ないのではないかと考えさせられます。
低スピンヘッドの基本は、重心を低く抑えることで達成しています。フェースの重心から上の部分を有効打点距離と言って、ギア効果で低スピン化が出来るエリアとなっています。スイートスポット(スイートエリア)の少し上で打つと最も飛ぶと考えられる打点です。
現代ゴルフの謎!
ジェイソン・デイのようなヘッドスピード55m/sもあるプロが、ロフト10.5度、ヘッド入射角プラス3度で、打ち出し角度15度を確保するのであれば、ロフト7度で同じ打ち出し角を15度を確保する方が、ボール初速は伸びます。これは、物理的計算です。
テーラーメイドやキャロウェイなどゴルフクラブメーカーのヘッド設計の狙いが行き過ぎたのか? それとも、何かの別の要素を優先しているのか、「現代の謎」です。
何はともあれ、現在、かつてジャンボ尾崎が実行した(ジャンボ尾崎が元祖と言ってもいいかもしれない)アッパーブローに高く打ち出して飛距離を稼ぐのがトレンドになっているようです。私は当時からすごく興味があったので、ジャンボのマネをして30年以上前から実行しています。
↓↓↓こちらは、アマチュアゴルファーにも人気の、テーラーメイドのSIM2MAXドライバー。見栄を張らないでロフト10.5度にすれば、打ち出し角が上がって飛ぶのでは? ダスティン・ジョンソンだって10.5度を使用する時代なのです!!
スイングタイプ別に相性の良いドライバーヘッド
現在、最も飛ぶスイング軌道は、30年以上前からジャンボ尾崎がやっている「アッパー軌道」です。女子プロの間では常識化・・・【あ・うんのゴルフ4スタンス理論を解釈する(52)】ドライバー飛距離[4]➡