トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)が、第86回ル・マン24時間耐久レースで悲願の刃の初優勝を遂げた! 通算20回目での達成。優勝は8号車で、中嶋 一貴、セバスチャン・ブエミ、そしてF1ドライバーのフェルナンド・アロンソだった。
挑戦20回目、ついにトヨタがル・マン24時間耐久レースで総合優勝。しかも、日本人ドライバー参加で1-2フィニッシュをものにした。
一昨年、ゴール僅か手前でリタイヤを喫し、涙を呑んだ。王者ポルシェを下せず、目標を失ったトヨタだったが、迷わなかった。マシン「TS050 HYBRID」のカイゼンを続けて誰よりも速く、誰よりも信頼する車で24時間を走り抜けた。
中嶋 一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソが乗った8号車は、24時間で388周を走り優勝。昨年優勝したポルシェは367周だったから、それを大きく上回る周回数で、クルマの信頼性をアピールできたことになる。しかも、ハンディ(制限)のある中でだ。
今年、トヨタの周回数は388周で、昨年のポルシェの367周を大きく上回った! マシンの信頼性が高まった証拠! #ル・マン
@numberwebさんからトヨタ・ハイブリッド車がル・マン制覇。「レースで使えるの?」からの12年間。(大串信)24時間レースも残り30分、最後のピットを終えた8号車小林可夢偉が2番手でマシンをコースに戻した。後方には首位の7号車中嶋一貴が走っているという位置関係になったが中嶋の視界に可夢偉の姿はまだ見えない。— kenzo_ogata (@kenzo_ogata) 2018年6月20日
「結果よりも経緯を重視する」トヨタの姿勢、これはマネジメントの基本だ。
トヨタをはじめファクトリーチームは、レースで鍛え上げた技術を市販車に生かすことが最終目標。WEC(世界耐久レース)のLMP1のレギュレーションに沿って造られたマシーンは、現代のHEV技術そのものだ。
ハイブリッド市販車においてプリウスで成功を収めているトヨタだが、ライバルである、アウディ、ポルシェもHEV技術を開発してきている。その一端が市販車で感じられるのは、今年発表されたベンツ・新型S450だ。現状のガソリン・エンジンを最大限に生かす技術だ。また、スバル・新型フォレスターにも生かされている。
もちろん、本家トヨタ・プリウスなどには当然に、このル・マン24時間レースマシンの技術が生きている。
「 レース(サーキット)は走る実験室」。 ホンダ創業者・故本田宗一郎氏の言葉である。
ル・マン初優勝に向けトヨタ自動車の豊田章男社長がコメント「改善に終わりはない」https://t.co/QaNs90gyuv#LeMans24jp #LeMansjp #ル・マン24時間 #TOYOTAGAZOORacing #トヨタガズーレーシング
— Motorsport JP (@MotorsportJP) 2018年6月17日
しかし、アウディ、ポルシェなどは欧州EVに向けた規制に従い、HEV開発を表に出さず、EVにかじを切った。ル・マン24時間レースで、トヨタが目標としてきたポルシェが今年から抜けてしまい、HEVのトヨタをアピールすることが出来なかった。それはちょうど欧州自動車市場でトヨタHEVを肩透かしして、EVにかじを切ったドイツ勢の姿勢と通ずるものが感じられる。
また、中国市場がEVにかじを切ったのは、中国国内の産業育成と国際競争の政策的意味合いが強い。必ずしも、これが技術的に正論とは言えない。それは「Well to Wheel」というマツダも唱えている議論で、EVも火力発電を元に製造しているのでは、本当のCo2削減とはならないからだ。しかし、中国・欧州の両市場がEVと決めたからには、EVの流れは続いていくだろう。
結果、Co2削減に人類が失敗しても、この流れは変えられまい。すると今度は、発電市場での動きになる。中国は、火力発電から原子力発電と自然エネルギー発電にシフトしていく。そんな世界の自動車産業の流れを感じさせる思いで、今年のル・マン24時間レースを見ている。
日産、4大陸12都市で開催されるフォーミュラE第5シーズンに参戦 #日産 #日産自動車 #NISSAN #フォーミュラE https://t.co/OQmdY5tgaO pic.twitter.com/jKegbc0lWj
— 【公式】マイナビニュース 車とバイク (@carnews_mynavi) 2018年6月18日
現在、フォーミュラーEに参戦するメーカーが増えている。日産も参戦することを発表した。今後のル・マン24時間レースも新レギュレーションでEVを取り込んでいくことだろう。その時はバッテリーが実用になる時だろう。今年のレギュレーション変更を見ても、現在の耐久レースの基準では混合レースが難しいことが推察される。
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