トランプ米大統領のアジア歴訪が終了した。トランプ大統領、習近平国家主席の動向を分析して、日本の国民はどう考えたらいいのかを探ってみる。2000年当時、メールマガジンでは「中国の脅威」という趣旨の記事を書いて驚かれた(当時、中国は”隣の友人”と言うビジネスマンが多かった)が、どうやら目に見えて現実になってきたようだ。
中国の南シナ海進出、恐れなければならない理由
どれほど習近平国家主席が演出しても、中国はいまだにアメリカには並んではいない。仮に、世界一のGDPを誇る国になっても、アジアを支配し、ヨーロッパを牛耳るようになっても、アメリカと並ぶことはできない。
それを証明するには、航空母艦(空母)の数を比較すると良いかもしれない。アメリカが11隻、中国はやっと2隻保有。ただ保有するだけでなく、常時運用可能かどうかが、カギとなる。
しかし、中国はまもなく韓国、そしてこの日本を支配する存在となるのかもしれない。もしそうなれば、日本が民主主義をあきらめなければならないことを意味する。(その危険性をどのくらいの日本国民が危惧できているだろうか?)
その背景には、中国の経済力と核兵器がある。
中国は、現在、南シナ海を欲しがっている。その理由の最大のものは核武装の完成だ。核武装の完成とは何だろうか?
現代の核兵器の主力、それは潜水艦ミサイル、SLBMだ。
海に潜っている潜水艦が核ミサイルを持って回遊している。しかし、今はアメリカ軍によって、中国海軍の戦略ミサイル原子力潜水艦はかなり捕捉されてしまっている。それには日本の海上自衛隊がかなりの役割を担っている。
そんな状況の中で中国が、太平洋に出るには日本の海域を通らねばならない。現在までの中国の技術では潜水艦の音が静かではなく、アメリカに捕捉されてきた。
↓↓↓2020年5月17日のニュース。潜水艦だけでなく、大っぴらにやってくる中国。尖閣諸島沖の接続水域で確認された中国公船は延べ1000隻超で、過去最多を記録。中国公船は大型化が進み、複数の3000トン級以上の公船が尖閣領海に侵入するケースもある。武力攻撃に至らない「グレーゾーン」と呼ばれる侵害行為に、どのように海保と自衛隊が連携して対処するのか…。
【尖閣、挑発緩めぬ中国】
中国公船が今月、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に侵入し、日本漁船を追尾した問題。日本が新型コロナウイルスによる国難に直面する中でも、海洋権益確保のために挑発の手を緩めない中国の姿勢を際立たせることになった。領海警備は海上保安庁が対応…https://t.co/3X67DDR856
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) May 16, 2020
しかし、最近ではアメリカ空母機動部隊の防衛艦隊の防衛範囲の中に、発見されずに侵入して見せて、その性能の高さを誇示して見せた。中国は、自国の潜水艦をアメリカに捕捉されにくい海域に自由に回遊させておかねばならない。つまり絶対的制空権・制海権の有る自国の支配する領海が必要なのだ。
それが、南シナ海だ。
南シナ海に、現在主力の核武装兵器である潜水艦ミサイル、SLBMを回遊させることで、中国の核武装が完成する。
それが、日本にとって、世界にとって脅威なのだ。
中国が欲しがっているのは第一に核戦力であり、それを完成させるため南シナ海の領有権はどんなことをしても手に入れると考えている。北朝鮮が核武装をあきらめないのと同じ発想で、アメリカに対峙することが出来るのは、この方法、つまり核武装しかないと考えているのだ。
(2022.10.17追加)
習近平氏は、2022年共産党党大会(5年に1度)で”台湾をめぐって「決して武力行使の放棄を約束しない」と強調。また、異例の3期目が確実視。
ロシアの核戦略、オホーツク海が要
一方、ロシアの核戦略はどうなのだろう。
ロシアにとってはオホーツク海が核戦略の要であり、日本にとって厄介なのは、北方4島の返還が困難な最大の理由でもある。
どのように経済援助をしても、北朝鮮と同じアメリカと対峙できる核武装の成立の理由で、決してロシアが手放せない領海であり、日本はその出口を抑えることになってしまうのだ。
ロシア政府による北方領土の経済特区指定の何が問題かと言うと、対象が色丹島という点に尽きるんですよ。これ、日ソ共同宣言を見れば分かりますけど二島返還の対象になっている所ですからね。これが功を焦った安倍外交の齎した救いようがない歪みですよ。
— 異邦人 (@Beriozka1917) 2017年8月30日
これから先どれほど言っても、ロシアが北方4島を日本に返還することは「間抜け」となることと同じで、ロシアが困窮しなければ成り立つ交渉ではないのだ。プーチン大統領は返還のポーズを見せながら、日本と仲良くして利益を得ようとしているのだ。
日本が中国に取り込まれたらどうなる?
世界情勢を決めるのは、軍事力の他にも経済問題など複数の要素が組み合わさるのが常だが、その基盤をよく眺めてみると、結局のところ軍事バランスだということに気づく。
中国は、アメリカと太平洋を2分する構想を持っていて、台湾、韓国を取り込んで太平洋に出ようとしている。すると、どうしても日本が防波堤になってしまう。中国のアジア戦略の行きつくところは日本を取り込むことなのだ。
中国はアメリカに「太平洋を2分しよう」と大胆にも呼びかけている。中国の計画では、日本を取り込むことは既定の事実なのだ。
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もし、日本が中国に取り込まれた場合、当然に共産党1党独裁体制となり、三権分立の民主主義は眼中にない。何れ香港と同じ運命で、「自由」はなくなるのだ。
それを防ぐ政治的方策は「日米安保条約」を堅持することだ。
北朝鮮の核ミサイル問題は、日本にとって近い将来の運命を知る出来事となろう。それはアメリカがどれだけ日本と韓国を守ることが出来るのかで知ることとなる。しかし、韓国国民の半数は共産主義に賛成してると見ておくべきであろう。現実を見れば北朝鮮の独裁政権や中国共産党の支配に入ることは、韓国国民にとって耐えがたいであろうが、いまは中国の影響下に入る方が得策だと見ているだろう。
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たしかにアメリカの支配が良いか?中国の支配が良いか?と問われたときに、なぜか韓国人は「中国の支配が良い」と考える人が半数近くいる。おそらくは、現在の財閥による支配の中から脱したいと考える人もいるだろう。北朝鮮の工作による所の人も多くいるだろう。でもやはり現代韓国人は「世間知らず」なのかもしれない。
アメリカが日本を守らなくなったら?
でも、「世間知らず」なのは、日本も同じ情勢だろう。
日本は、もしアメリカが経済的にも軍事的にも力を落とし、太平洋から引いていかざるを得ないときは、中国から日本の独立を守る手立ては少ない。
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平和に暮らして幻想を見る日本人
誠に残念であるのだが…、
人類が資本主義を採用する限り戦争の危険は去らず、ならば核武装をしないと侵略を防ぐことはできない。外交のみによる平和な暮らしが望みだが、話し合いだけでは守れるはずはない。それは、話し合いが成り立たない人間性を持った(サイコパス?の)権力者がいるからだ。
結局は武力の優劣、そして武力の使い方で決まるのだ。
「太平洋戦後、日本はアメリカの植民地」と言えるのだろうが、自由主義アメリカのおかげで、韓国も日本もある種の自由は保障されてきた。しかし、経済的自由はありえないことだった。アメリカに利益をもたらす存在でなければ、切り捨てられるのが日本の立場だ。これからも一生懸命アメリカに尽くすしかないのだ。
※日本は経済的自由を確保できていると信じている方もおられるだろうが、技術力があるにもかかわらず日本で伸びない産業が一部あるのはアメリカの利権に縛られているからだ。それを実際に経験した筆者の関連記事は以下をご覧ください。
だから、日本が敗戦国、そして植民地の立場から脱したければ、核武装しかないのが現実であろう。
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敗戦国、そして植民地の立場から脱したければ、核武装しかないのが現実であろう。
だとすれば、最もスムーズに現実に即して立場を確保するには、アメリカから原子力核ミサイル潜水艦を買うことだ。アメリカの属国の立場を堅持しながら、軍備の肩代わりをしていくとアメリカも喜ぶ。4隻ほどのSLBM原子力潜水艦を日本の費用で運用すれば、沖縄、東シナ海、南シナ海の権益をアメリカも維持できて、日本も中国と対等の外交を展開できることとなる。
それは先々北朝鮮と統合した韓国とも向き合う力を持つことを意味している。
これは、世界が軍事バランスで保たれていると言う現実を理解できていないとわからない話です。
もちろん私も、そして誰もが、戦争や核兵器使用は望んではいません、最悪自分が死ぬのですから。しかし、感覚論・感情論と客観論を区別して考えましょう。まずは、歴史や現状の世界情勢をよく勉強してみることです。