【コロナで業態転換!】外食よりテイクアウト、店で客待ちよりデリバリーや移動販売~潜在市場をいちはやくキャッチする!

集客の達人(経営)

新型コロナウイルス感染拡大で売上げが落ちている店舗が増加しています。その中でも、運よく売上げを伸ばしている店舗もあります。これを「想定外」の出来事として済ませてしまうと、今後の展開には何の役にも立ちません。コロナに負けないためには、市場の動向を察知して、知恵を使って逆境を乗り越えていきましょう。(この記事はメルマガ読者以外でも読めます)



大手でもテイクアウト・デリバリーが売上アップ

コロナ禍のいま、外食産業においては、日常的にテイクアウトやデリバリーに力を入れている業種が、このコロナ禍でも売上アップを果たしています。

以下のデータを見てみましょう。

例えば、和民や鳥貴族などの居酒屋チェーンなどは前年同月比90%以上(2020年4月)の売上げダウンとなってしまいました。

一方、テイクアウトをコロナ前にも実施していたファストフード(マクドナルド、ケンタッキー・フライド・チキン、モスバーガーなど)は、逆に前年同月比で売上アップしています。

その中でもケンタッキー・フライド・チキンは、30%以上も売上アップしています。テイクアウトなど店外飲食の売上比率は、なんと7割だったそう。

ファストフード店以外は、緊急事態宣言解除によって5月に入ると少し持ち直しているとしても、依然前年同月比で売上げダウンであることは変わりません。

逆に、ファストフードなどは5月に入ってからも前年同月比で売上げアップを果たしています。

※出典:東洋経済

 

これは、緊急事態宣言解除であっても、感染の不安からお客様は自粛を心がけているからで、治療薬やワクチンが一般に普及して「安心」を得られてからでないと、以前のような経済活動は戻らない可能性が高いです。

それは、次のアンケート調査からも推察できます。『JTB・旅行に関する意識調査』~やりたいのは国内旅行、でも再開するのはワクチンで効果が出てから~新型コロナの影響

みんなの生活様式は、「外食」から「自宅で中食・内食」に変化しているのが分かります。

 

コロナ禍で「業態転換」を考えてみる

このような市場の動向がデータで分かったからには、業態について、経営者は今一度考えなおしてみる必要があります。

 

レストラン → テイクアウト専門店に

既に、レストランのオーナーでテイクアウト専門店に業態転換した人もいます。これまでと同様に営業を続けていたら、頑張った割には売上げは上がらず、ランニングコスト(固定費)が重くのしかかるだけになってしまうからです。

「やよい軒」もテイクアウト対応店を拡充しています。

コロナ前に2店だった「やよい軒」のテイクアウト対応店を6月には全店舗の約8割に当たる321店にまで広げた。テイクアウト用のメニューも11種から21種に増やしている。

※引用:東洋経済

 

これまでテイクアウトが難しいとされていた中華そばの「日高屋」(株式会社ハイデイ日高)も、テイクアウト様式の追加を試しています。デリバリーはすでに始まっています。

電子レンジの加熱に耐える容器も用意し、従来2%未満だった店外飲食の売上比率は5月には9%強に上昇した。「店内飲食では男性客の割合が7~8割だったが、テイクアウトでは女性客の利用が7割と逆転している」

※引用:東洋経済

 

かつて蕎麦屋、寿司屋、中華料理屋、豆腐屋は、出前(デリバリー)が当たり前でしたね。

昔の商売人の知恵を、今一度考えなおしてみてもいいかもしれません。

上画像のようなバイク(カブ)の後ろにつけた出前機(正式名称:出前品運搬機)は、日本独自の発明品です。バイクの振動をバネ(サスペンション)で緩衝させるので、汁物もこぼれないようになっています。それ以前は、自転車に乗りながら、しかも蕎麦ざるを10枚ほども片手で持ちながら届けてくれたものです。

まさに、職人です!

 

中小店舗も「店で待つ」→「売りに行く」(デリバリー)

大手チェーンであっても、このコロナ禍でかなりの苦戦を強いられているわけだから、中小店舗はたまったものではないです。東京ではウーバーイーツを利用する店舗もたくさん出てきました。

テナントを借りているならばなおのことで、廃業を考えざるを得ないかもしれない…。

そこで、ある地方の老舗和菓子屋さんも思い切った行動に出ています。

上記は、NHKのビジネス特集の記事。

新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛がきっかけとなり、宮崎県の延岡市では老舗の和菓子屋さんがバンで移動販売を始めたというものです。

70年にわたり地元で愛されてきた「虎彦」。でも、1日に100人以上いた店への来客は激減し、やはり4月の売り上げは例年の半分ほどにまで落ち込んでしまったようです。
気持ちが落ち込む中、従業員に聞いたところ、「店で待つのではなく、外に打って出て移動しながら販売するという方法」が意見として多かったそうです。

そこで、事前にチラシを手書きで手作りし、ポスティングをし、告知した日にバンにお菓子を積んで移動販売するという方式をとりはじめました。

ポスティングには1日に3万歩も歩くといいます。(でも、私も現役のころはそれが当たり前でした…)

するとどうでしょう!!!

移動販売に訪れる客が100人を超える日もあり、売上げが従来の店舗の売り上げを上回るまでになったというのです。

ホントに良かったです!!!

 

お店に行きたくてもいけない人がいる(潜在市場を意識する)

でも・・・

私に言わせれば、「なぜ、今までそれに気づかなかったの???」です。

チラシを作って地域の人にたくさん知らせて、「打って出る販売」をすれば、潜在しているお客さんに購買動機を作ってあげることになり、売上は上がります。コロナ禍でなければ、もっと上がったかもしれません。

「虎彦」の社長さんは、移動販売をして実際のお客様の声を聴き、「お店に行きたくても行けない人がたくさんいること」に気づいたそうです。高齢のお客さんたちは長い道のりをわざわざ出かけるのが大変で、お店に出向けなかったのです。

本当に、「なぜ、今までそれに気づかなかったの???」と言いたいです。つまり、私がいつも言っている「市場はお客様の心の中にある」ということです。お店側がそれを早いうちに察知して、お客さんが来やすい方法、買いやすい方法を作ってあげるのです。

(これがコロナ禍だったら、なおのことでしょう。みんな感染するかもしれない不安を抱えているのです。)

私だったら、早いうちに地域の人口データと地図をにらめっこして、高齢者の多い地域だったら、たくさん想像できることがあったろうと思います。

でもこれも怪我の功名で、「虎彦」さんはお客様の声、つまり潜在している「市場」に気づくことができました。これは、ポスレジでどうしても出てこないデータです。今お店に来れるお客さんのデータ(顕在市場)ですからね。

 

皆さんも、自分が気づかない地域の市場(お客様・ニーズ)について、もっと知ろうとしてください!!!

そうすれば商売は、コロナ渦でもうまくいく可能性があるのです!!!