【トランプ大統領にとっての武力攻撃(3)】通常兵器で最強!大規模爆風爆弾(MOAB)

トランプ・アメリカ大統領

つい先日まで米韓合同演習に参加していたカール・ビンソンをまた呼び戻すことを発表したのは、通常ではあり得ないことです。当然に北朝鮮に対するけん制と受け止められているのですが、事態はもっと深刻でありましょう。

➡【トランプ大統領にとっての武力攻撃(2)】絶妙のシリア攻撃

➡【トランプ大統領にとっての武力攻撃(1)】空母打撃群




通常兵器で最強!大規模爆風爆弾(MOAB)

アメリカはアフガニスタンで新型爆弾(大規模爆風爆弾Massive Ordnance Air Blast)を使用しました。これは10トンもの重量がある大型爆弾で、戦闘爆撃機・B52・B1・B2などの爆撃機では積み込めず、C-130・C-17など輸送機に積み込み、荷物の空中投下のようにパラシュートを使ってパレットごと引き出し、投下して誘導することが出来るそうです。

爆発すると直径1キロ周辺で地下サイトや洞窟などを含めて甚大な被害が出るとされており、Mother Of All Bombs(すべての爆弾の母)と称しているようです。


この名称の爆弾としては実戦での初使用と言われていますが、これ以前に同じようにC-130から投下して洞窟などに潜むタリバンを攻撃すること目的として開発された爆弾がありました。たしかナパーム弾の親玉のような仕様で、ナパームの粉とガソリンを混ぜて発火すると周辺に大きな炎を生じ、周辺は酸欠状態となって、洞窟など浅い地下サイトに潜んでいても窒息死すると言われていました。

アメリカ軍がアフガニスタンに軍事介入した当時、北部山岳地帯で同じく使用されたものと記憶しています。

このような爆弾の存在をアメリカが示したのは、北朝鮮が森の中や地下サイロに潜ませている移動式ミサイルも、また38度線近辺トーチカに展開するロケット弾を含めた砲兵部隊を、この爆弾で一気にせん滅出来ることを見せたかったのでしょう。それは第一撃で北朝鮮軍が反撃できないほどの打撃を受けることを示し、核開発をあきらめるように迫るものです。

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一般に言われているように、「北朝鮮軍の一般的火砲による反撃能力を一気に抑えることは不可能である」との考えを打ち砕く狙いがあるものと考えます。

しかしながら輸送機による爆撃には、絶対的な制空権が必要で、第一撃ではレーダーなどの通信手段を無力化して、対空反撃能力をそぎ、それが成功してから地上の砲撃部隊を攻撃することが出来るようになるので、やはり通常の砲兵部隊にソウルなどを砲撃される危険はあります。そのため、やはり全面戦争につながる危険を排除することは出来ず、斬首作戦なるものも実行は難しいと感じます。

トランプ大統領にとっての武力行使

シリア攻撃に関して各要素の関連性について、実によく読んだタイミングと方法論を選んだのですが、北朝鮮攻撃に関してはどうなるでしょうか?・・・・➡【トランプ大統領にとっての武力攻撃(4)】トランプ大統領の武力