【トランプ次期アメリカ大統領(22)】TPP離脱[3]

トランプ・アメリカ大統領

トランプ氏がビデオメッセージで「就任直後にTPP離脱を各国に通知する」と表明しました。これで中国を中心とした経済連合が東アジアに浸透し始めて、アメリカ依存から東アジア各国が離脱していく流れとなることは、確実でしょう。

☚【トランプ次期アメリカ大統領(21)】TPP離脱[2]

企業の成長を求めるため

国内市場だけでは、これ以上の規模拡大は望めず、世界を市場としていくことで企業は成長できます。それがGDPの拡大として表れるのですが、先進国の国内での給与は下げ圧力が増してきます。「グローバル企業は成長して、国民は疲弊していく」これが「先進国経済のグローバル化のモデル」なのです。

「大部分のアメリカ国民や、日本国民の直接のメリットはない」と言えるのがグローバル経済なのです。

しかし、国家の財政では自由経済圏を広げ、企業のグローバル活動を促進して、多くのグローバル企業を誘致できた国家が潤います。「パナマ文書」「企業法人税の削減競争」などがその歪みです。

資本主義経済の仕組みそのものが、グローバル経済を指向し企業活動が拡大し続けなければならない仕組みなのです。

なぜ企業は拡大しなければならないのか?

グローバル企業は拡大しても国民は疲弊するのはなぜなのか? トランプ氏の言う通り経済を閉鎖して国内だけで活動していれば、経済は回るはずです。それが成長率が2%以下であると失業率が増えたり、給与が上がらなくなるのか? この疑問が最も大切なポイントですが、経済学者は触れたがりません。「いずれ下々まで浸透する」とまるで「封建時代のような上から目線の説明」を繰り返してきました。

経済は資金の回転です。順調に回転しいれば拡大しなくても低下もしないはずです。しかし、成長率0%では失業率が増えて破たんしてしまいます。これが資本主義の現実です。

その原因は「配当・金利」にあります。我々が当然としている「株主配当」「金利」ですが、これが生産・サービス活動で生み出された付加価値、つまりGDPの一部を持ち去ります。すると経済で回転する資金の一部をプールすることとなり、経済が縮小してしまうのです。配当も金利も経済に再投資されればまだしも、殆どが何がしかの形でプールされるので回転しなくなるのです。

すると市場の購買力が低下して、国内の消費が低下していきます。そこで海外に市場を求めて、企業が活動範囲を増やせれば、成長が続けられることとなります。これが産業革命以来始まった企業のグローバル化で、次第に狭まる地球上の覇権争いを生み出し、第一次世界大戦、第二次世界大戦を起こし、少し利口になった人類は、小競り合いをしながら現在も争いを続けているのです。

資本主義経済の限界

現代の争いの形態では、戦争ではなく「自由貿易圏」の設立拡大なのです。EU・TPPなど・・・

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