【北朝鮮ICBMはアメリカのレッドラインか?(2)】ICBMはもう古い!

トランプ・アメリカ大統領

写真出典:ウィキぺディア https://ja.wikipedia.org/wiki/弾道ミサイル

アメリカ・トランプ政権は北朝鮮に対する軍事行動について最終判断基準(レッドライン)を決めていないように見えます。「第6回目の核実験とICBM発射実験に成功したら攻撃する」が当初基準としていたように聞こえます。

北朝鮮はこの限度を超えないように、25日も長距離砲訓練にとどめて、この基準を守っているように見えます。さてICBMとはそれほど重要かつ有効な核武装なのでしょうか?

➡【北朝鮮ICBMはアメリカのレッドラインか?(1)】ICBMはもう古い!


冷戦時代のアメリカとソ連のにらみ合い

太平洋戦争が日本の降伏で終了するとすぐ、冷戦時代に突入していきましたが、2大国のにらみ合いの中で最初に火を噴いたのが朝鮮戦争でした。アメリカは中国の人民解放軍に手を焼き、原爆の使用を考えました。当時の連合国軍最高司令官であったダグラス・マッカーサーが原爆の使用を強く主張して、トルーマンと対決、解任された。


その当時の運搬手段は日本爆撃と同じB29などの爆撃機で、現在グアム島に常駐するアメリカ・戦略空軍のB52まで続いていました。現在B52はベトナム戦争以来、通常兵器を大量に搭載して戦術目標爆撃に使用されてきました。

現在の朝鮮半島情勢では、アメリカ軍の配備をアフガニスタン、中東などと比較する際にはグアム島の戦力を無視することはできません。F/A-18の120~150機分の戦力、つまり北朝鮮に対するのに空母3隻分の戦力が既にあることになります。

その後、米ソのにらみ合いの中で、ICBMの精度が上がり、地下サイロに格納されて先制攻撃にも耐えて反撃できる能力を持つことで「核抑止力」の地位を維持するようになります。

爆撃制度の向上が核戦略を変える

硬い岩盤の中に格納された固形燃料のICBMがしばらくの間「核抑止力」の主力でした。しかし、その後も誘導された核弾頭の命中精度は向上して、1万2000km飛んで半径数mに着弾できる精度になると、地下サイロに格納していても直撃して破壊されることになりました。これでは先制攻撃を行うほうが有利となり、核抑止力としては無力となっていきます。

その後、ICBMは硬い岩盤の山の中にトンネルを掘り、多数の出口を作って日々移動して、破壊される可能性を少なくした施設などが考えられましたが、既に潜水艦発射ミサイルSLBMの有効性が認められて、核戦略部隊の主力からは退いています。

ミサイル迎撃システムの影響

その後、ミサイル迎撃システムが開発されてくると、それをかわす方法として「多弾頭ミサイル」に移行しています・・・➡【北朝鮮ICBMはアメリカのレッドラインか?(3)】ICBMはもう古い!

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