【北朝鮮ICBMはアメリカのレッドラインか?(1)】ICBMはもう古い!

トランプ・アメリカ大統領

写真出典:ウィキぺディア https://ja.wikipedia.org/wiki/弾道ミサイル

アメリカ・トランプ政権は北朝鮮に対する軍事行動について最終判断基準(レッドライン)を決めていないように見えます。「第6回目の核実験とICBM発射実験に成功したら攻撃する」が当初基準としていたように聞こえます。

北朝鮮はこの限度を超えないように、25日も長距離砲訓練にとどめて、この基準を守っているように見えます。さてICBMとはそれほど重要かつ有効な核武装なのでしょうか?

【北朝鮮と今戦うべきか?】注目!原潜ミシガンの「Navy SEALs」の発信装置


ICBMの歴史

良く知られたことですが、始まりはナチスドイツです。第2次世界大戦のさなか、ロンドン空襲に使われたのが「V1」でした。これはむしろ巡航ミサイル、ドローンに通ずる、ラムエア・ジェットエンジンの無誘導の飛行弾頭で燃料が切れると落下するものでした。それに対して技術的に「弾道弾」と言えるものが「V2」で、北朝鮮の日本を狙ってつい先日発射された弾道ミサイルは基本的にこの技術の範疇にあります。


むしろ75年も昔に開発、実戦使用していたナチスドイツの技術力に驚きます。

終戦までに「V9」まで開発が進み、これはドイツ本国からアメリカ本土までとどく本当の「大陸間弾道弾ICBM」と言えるものでした。これは研究開発までで実戦で使用されることはなく終わりました。

戦後、アメリカとソ連は、これらのナチスドイツのロケット技術者たちを連れて、ICBM開発に乗り出したのでした。宇宙開発でもこれらの技術者の貢献が大きな成果となって、アメリカの月着陸アポロ計画を実現したサターンロケットの開発はフォン・ブラウンで、つまりナチスドイツのV2開発チームの一員でした。

ジェットエンジンなど、戦後のわれわれの生活に欠かせない多くの先端技術開発に、ナチスドイツは既に成功していたのには、驚きを隠せません。原子爆弾の開発も、まもなくのところに来ていたと言いますので、地上戦でドイツ陥落がもう少し遅れたのなら、世界の歴史は変わっていたことでしょう。

今、北朝鮮はナチスドイツが達していた当時の技術レベルに、ちょうど差し掛かっていると見ても大きな違いはないでしょう。他の分野の発展が進んでいますので、違うと言えば違いますが・・・

冷戦時代のアメリカとソ連のにらみ合い

太平洋戦争が日本の降伏で終了するとすぐ、冷戦時代に突入していきましたが、2大国のにらみ合いの中で最初に火を噴いたのが朝鮮戦争でした。アメリカは中国の人民解放軍・・・➡【北朝鮮ICBMはアメリカのレッドラインか?(2)】ICBMはもう古い!

➡【ABM・ミサイル迎撃ミサイル(1)】本当に有効なのか?
【アメリカは北朝鮮を攻撃できない?】
➡【トランプ大統領にとっての武力攻撃(1)】空母打撃群