新型コロナウイルス感染拡大の対策の1つとして、集団免疫を獲得することが良いとされていた。その壮大な実験を行っていたスウェーデンだけど、12月に入って国王が「失敗以外の何物でもない」と声明を出した。
集団免疫とは?
ウイルスの多くは、
『人口の大部分が感染してウイルスへの抗体を持つようになる「集団免疫」で感染拡大を抑制できる(ブルームバーグ記事)』
から。
上記記事が出たころ5月には、「人口の大部分」というのは、およそ60~70%と言われていた。
でも最近、以下の記事のように、それ以上の70~90%が免疫を持つ必要があるといわれるようになった。
集団免疫「人口の70~90%が免疫持つ必要」米政府コロナ専門家 #nhk_news https://t.co/3serkcLqml
— NHKニュース (@nhk_news) December 25, 2020
だとすると、ほぼ全員が新型コロナに感染しなきゃいけなくなるか、あるいは効果のあるワクチン接種がほぼ全員に行き渡らないといけないことになる。
ということは、ワクチンの効果がない間は重篤な症状になる人やそれによって亡くなる人も出るわけで、ある程度の犠牲がどうしても出るということになる。
本当に厄介なことになる。
(2020年12月現在:日本の重症化率=約1.6%、死亡率=約1.0%:厚生労働省)
スウェーデンは死者数が多すぎて失敗した!?
スウェーデンの新型コロナ(Covid19)の対策は?
ある程度の犠牲(死者や重篤者)を出しながら(これが各国から倫理上問題ありと言われた)、多くの人間の免疫獲得でウイルスの収束を待つというやり方だ。しかも、経済を止めることがないためメリットが大きいと考えられたのだろう。
「社会活動のためなら犠牲はやむを得ない」という方針となる。(政府は公に声明はしていない)これが「救える命を救っていない」と倫理的に問題になって、各国から批判を浴びている。
しかし!!!
スウェーデンの12月現在の新型コロナによる死亡者数は、
8000人以上!!!
そして、スウェーデンの死亡率は2%で、日本より2倍も多い。
↓↓↓『「望ましい行動」を国民に勧告することでコロナ禍を乗り切ろうとしてきた』結果がとんだことに!!!
コロナ独自路線のスウェーデンが失敗、欠けていたのはロックダウンではなく……
<国民への「望ましい行動」の勧告がコロナ対策として不十分だった──という批判は的外れではないが>https://t.co/uKP9m2OiHm
— ニューズウィーク日本版 (@Newsweek_JAPAN) December 26, 2020
あまりに死亡者数が多いため、スウェーデン国王がとうとう発言した!
グスタフ国王は国民向けのテレビ演説で、「多くの人が亡くなったことは非常につらく、我々は失敗したと思う」と語った。
引用:日本経済新聞
スウェーデン国王、コロナ死者増「我々は対策失敗した」https://t.co/BWdgt6dpjz
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) December 17, 2020
集団免疫は得られた??
スウェーデンと言えば、世界で稀に見る社会保障制度が発達した国だ。同時に、「高齢者にも優しい」というイメージを持ってしまうが…
けれど、今回の新型コロナ(Covid19)対策では高齢者施設の管理は野放図で、臨時の雇用者が感染を広げてしまい、死亡者を増やしてしまった感がある。(参考:スウェーデンの悪夢はパンデミック以前から始まっていた・ニューズウィーク日本版)
そしてその結果、肝心な集団免疫は獲得できたのだろうか??
上記参考記事が2020年7月の時点だけど、記事によると、首都のストックホルムでの抗体保有率はたったの7%ほど。
現在12月で、あれから5カ月も経ったけれど、7%が急激に上がっているとは通常考えられない。
つまり、どんなに放置していても集団免疫は、そう容易には獲得できないということになってしまわないか???
スウェーデンの今までの1年は何だったのだろう???
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