【ABM・ミサイル迎撃ミサイル(2)】本当に有効なのか?

トランプ・アメリカ大統領

現在、弾道弾迎撃ミサイル(ABM anti-ballistic missile)として日本に配備されているのはスタンダードミサイルSM-3とパトリオットミサイルPAC-3です。更に日米で新システムを共同開発しており2017年度には配備する予定になっています。

しかし本当に有効なのだろうか・?

➡【ABM・ミサイル迎撃ミサイル(1)】本当に有効なのか?


現在のSM-3の撃墜率

政府関係者は90%でPAC-3と合わせると100%近く迎撃できるとしていますが、これは現実には難しいでしょう。

SM-3の実験はハワイ沖で50回程度行われたと言います。撃墜率は82.5%であったと伝えられています。しかし、これにはカラクリがあり、ミサイルを1発発射して、それを撃墜する実験でした。最初の内は迎撃される弾道ミサイルの方から電波を出して誘導していた状態で成功していました。これは見せかけですね? それから実際に成功し始めたのですが、これは1発のミサイルを迎撃したのであり、実戦では数発~数十発」の同時発射を覚悟しなければなりません。この迎撃実験は誰も経験してはいないのです。


軍事機密になっていますがSM-3のシステムでは同時2発までは、追跡迎撃誘導が出来るイージス艦搭載システムとなっているようです。つまりイージス艦1隻で同時対処が出来るのは弾道ミサイル2発までであると言います。イージス艦1隻にSM-3ミサイルは8発搭載しているようです。1発が着弾した後、新たな弾道ミサイルに対応できるようになるはずです。

日米のイージス艦は日本は4隻保有しており、1隻は整備に入り常時展開できるのは2隻体制でありましょう。アメリカは7隻保有しており、そのうち何隻を極東に配備できるのかを考えると、せいぜい2隻までで、合わせて4隻が展開できるものと見ておくのが常識でしょう。

さらには、4隻が展開しているとして、数十発のミサイルが飛来したとき、どのミサイルをどの艦が迎撃するのかと言ったデータリンクの問題が解決しているのかもわかりません。まだ経験していないことです。訓練が出来ているのかも軍事秘密でありましょう。

全面戦争の場合、迎撃不可能と見るべき?

北朝鮮は日本に届く中距離弾道弾を1,200発ほど保有していると言われており、発射機は50基程度はあると見られています。数十発同時に発射される可能性は高く、その場合は迎撃不可能と覚悟すべきでしょう。

そのため北朝鮮から先制攻撃がなされると、日本は壊滅的打撃を受けることとなり、核弾頭が積める状態であると、数発で日本は滅びるほどの打撃を受けます。その場合、アメリカ軍の核弾頭搭載巡航ミサイルや、SLBMの反撃を受けて北朝鮮、韓国、日本とも滅びることになります。

この最悪のケースは、この前面核戦争の事態ですが、これは北朝鮮自身が滅びる覚悟をした時ですので、まずは可能性は低いと感じます。

アメリカ軍が先制攻撃した場合

何が何でもアメリカ軍の第一撃で、核ミサイル発射を防がねばなりません。現在、それは不可能であると見る専門家が多いのですが、・・・・

【ABM・ミサイル迎撃ミサイル(3)】本当に有効なのか?➡

【アメリカは北朝鮮を攻撃できない?】
➡【トランプ大統領にとっての武力攻撃(1)】空母打撃群