【BMW7シリーズ(3)】A I の最先端、しかし・!

BMW

「A I まっしぐら」とも思える最先端の「運転支援装置」を備えた「最高級セダン」ですが、実際は燃費向上の最先端を、トヨタのハイブリッド車から取り戻すべく、突き進んでいる「ドイツの★」です。

【BMW7シリーズ(2)A I の最先端、しかし・!

軽量化の基本、軽量素材とは?

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出典:http://www.bmw-new7.jp/special/

車体の軽量化の基本構造については、ゴルフクラブのドライバーヘッドの大型化を基本と見ればよいのです。

パーシモンからスチール、そしてチタン、カーボンなど、同じ強度を出すのならより重量が軽くて済む、つまり重量当たりの強度の高い素材を使えばよいのです。車の場合、衝突安全性がありますので、簡単にはいきませんが、基本は同じです。

■アルミ

この素材は合金ですがジュラルミンとして航空機の素材として有名です。超々ジュラルミンはゼロ戦の開発で造られたと言います。その後、高温に耐えられる素材としてチタン合金が開発されて、現在多用されています。しかし、アルミはゴルフヘッドに使われたことがないように、強度的には弱い素材です。そのため強度の必要のない部品の素材として今でも使われています。ボンネットやトランクなどが中心ですが、エンジンブロック、ヘッド、サスペンションアームなど強度の必要な部分でも、うまく使われてきています。

■高張力鋼(ヘルテン)

炭素含有量の多い鉄で引っ張り強さで表しています。色々な種類があるようですが、最も強い材料としては、戦車の防弾鋼鈑です。戦艦大和の船体などにも使われてきました。建設車両のバケットの刃先などにも使われています。強度が強いので、同じ重量の生材などに比べると、重量が少なくても済み、現在、自動車ボディーの軽量化にはもっとも使われている材料です。欠点は強度を出すために炭素含有量を多くすると打撃に弱くなり、衝撃でヒビが入ったりするようになります。焼き入れもできますので、摩擦にも強くなり重宝するのですが、この衝撃に対処するための工夫が必要となります。

日本刀が刃先にこの材質を使い、同部分に生材を用いて合わせて、折れにくく切れ味鋭い刃先を持つことに成功した最も良いハイブリッド材料の事例です。現在、値段と加工方法の兼ね合いで、カーボンの利用が進み始めています。

■カーボン

ゴルフのシャフトに使われて有名になりました。日本が得意とする素材でB787に使われています。丸い胴体の一部を丸ごと焼いて作っており、日本が世界の最先端でしょう。BMWはカーボン工場を買収しており、本格的に乗り出しています。これからの車の素材としては最有力候補です。

世界の動きはA I よりも省燃費で、商品価値としてはA I が勝っているため、同時に進んでいくことでしょう。オリンピック後の世界では新圧縮燃焼原理を用いたエンジンが台頭するのか、PHVの流れとなっているのか、自然エネルギー発電の動向とも連動して、激変の時期となるのでしょう。

A I エアサスペンション

エアサスペンションの歴史は古いのですが、これに4輪駆動を加え、前方のカメラ、ワイパーなどの情報を統合して、路面状態を把握し、最適なサスペンション制御を行う・・・・・つづく

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