【TNGA(Toyota New Global Architecture)-3】

トヨタ・TNGA

TNGA(Toyota New Global Archtecture)-2】➡

【シャーシの共通化の先】

トヨタは新しい世界戦略を目指しています。それは「平準化」によるコストダウンを狙っているのです。販売量に変動があっても生産量に出来るだけ影響させずに固定費を下げ、資金量を大幅に下げようとしています。それは膨大な技術革新を伴います。その一端をのぞいてみましょう。

トヨタ・GAZOO公式サイトをご覧ください。
http://gazooracing.com/pages/special/tnga/ 

HVシャーシ・プリウス モノコックボディーが前提

プリウスtechnology_powerunit_hybrid_31_pc

出典http://toyota.jp/technology/powerunit/hybrid/ 

シャーシの共通化などは40年ほど前のGM・フォードで行われていた手法で、私もGMの最大のシャーシ、キャデラックと同じシャーシでもう少し安いクラスの車に乗っていましたが、大きさはキャデラックそのもので巨大でした。そのシャーシを幾種類かに統一して、其々、クラスのボディーバリエーションを作りスタイルなどが違うだけで別の車種を作り上げていたのでした。

今回トヨタが目指すところは、シャーシの共通化だけでなく、それによってラインの共通化を図り、生産の平準化が出来るようにして世界に点在する工場の稼働率を安定させて、過剰な設備投資が無いようにすることと、減産に対応してコストも下げられるようにしようとしているのです。車種ごとに専用ラインを持っていると減産になったときにそれぞれの必要な生産設備が遊ぶこととなりますが、共通に使える設備が増えると、増産・減産と機種ごとにバラツキが出ても、工数を融通する量が増え平準化がしやすくなって固定費が下がることになります。言い換えると固定費を多く準備しなければならなかったのを融通しあうことで少なくて済むのです。これを世界規模で生産工場単位を超えて融通しあうことが出来れば、無駄が減りコスト削減が出来ることになります。

これは星野リゾートが行き詰まった旅館を買い取り再生するときに従業員の仕事の役割分担を見直して「仕事の兼務」を行うことで人数そのものは減らせるのと原理は同じです。兼務も仕事を覚えるのは大変ですが、トヨタ・小松などの製造業のラインでは、数十種類の機種を組み立てられる組立工は、現在では当たり前ですが、サービス業でも常識としなければならないところです。

ゴルフ場でも受付・事務・レストラン・キャディーなど全ての業務は繁忙期がずれていますので兼務を進めることが可能です。社員は少なくとも数種類の業務を覚えなければなりませんので大変ですが、製造組み立てラインのことを見れば、まだ種類は少ないのです。

高強度のホットスタンプ材を使って軽量化を進める

technology_chassis_hotstamp_01_pc

出典:http://toyota.jp/technology/chassis/hotstamp/ 

星野リゾートの星野社長は、民主党政権時代、連休も地域で変えるほうが良いと提案していましたが、それは繁忙期を平準化しようとの考え方でした。実現すればサービス業にとっては良いことでした。しかし一方でサービス業経営者が平準化の概念を知らないことには驚くしかないのですが、これからのサービス業のコスト管理には欠かせない概念です。特に季節要因で左右される業態が非常に多いので、集客の基礎技術としても平準化の概念は知らなければなりません。トヨタはこうしてさらに高収益を続けようと努力していますが、日産はどうでしょうか?

またトヨタの営業所レベルでの展開は出来ているのでしょうか?・・・つづく

TNGA(Toyota New Global Archtecture)-4】

【マツダ・アテンザ(1)】スカイアクティブ・テクノロジー➡
【マツダ・アテンザ(3)】G-ベクタリング・コントロール(GVC)[1]➡
【マツダ・アテンザ(5)】燃費[1]
【インプレッサ】スバル・グローバル・プラットフォーム(1)~動画あり
【新型スバル・インプレッサ試乗記(1)】別次元の挙動[1]
【インプレッサ・カーオブザイヤー(1)】威力あり!グローバル・プラットホーム