【2016 NISSAN GT-R物語(6)】羊の皮をかぶった狼が復活?[2]

スカイライン_R32_GT-R_001 日産とGT-R物語




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1989年、GT-R復活!

1989年、1973年以来16年ぶりにGT-Rが復活します!

2020年代に入った現在でも人気を誇るR32型GT-Rで、スカイラインとしては8代目となります。2600ccに拡大されツイン・セラミックターボチャージ方式で、やはり4バルブDOHC(RB26DETT)280ps/6800rpm、40kg/4400rpmで登場しました。最高出力は自主規制されたもので、レースでは500馬力場を出していましたので、規制を外すROMが出回っていました。

このGT-Rには、通常FR2輪駆動で、後輪のスリップと横Gセンサーによって前輪に駆動力を配分して4輪駆動になる高度な制御をする仕組みの4輪駆動・4WS(4輪操舵)システムがついています。

このシステムでGT-Rとしての戦闘力を回復してレースに復帰することとなりました。

R32型スカイラインGT-R

Skyline_R32_GT-R_001

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/日産・スカイライン

R32兄弟車、スカイラインGTS-4のエピソード

人気のR32シリーズでは、GTSー4というモデルがありました。

↓↓↓我が家に残る、スカイラインGTS-4の当時の貴重なカタログ。

スカイラインGTS-4

GTS-4は、GT-Rの高度に制御された4輪駆動と4WSシステムを持ち、通常のGT-Sのエンジン、215rpmを積んだモデルでした。GT-Rの足回りがほしいが、仕事で使うにはGT-Rは目立すぎると感じた私は、このモデルを購入しました。

長い車歴を持つ私ですが、それまで意外とスカイラインは購入しておらず、2000GTの登場した2代目スカイラインのとき親父の車であった1500スカイラインを少し運転しただけで、R32型GTSー4はスカイラインとしてはたった2台目でありました。

この車は大型化した車体をコンパクトに戻しており、マニアや専門家には大変好評でした。乗ってみると、確かに4WD・4WSシステムは繊細で、通常はFRとしか認識できない状態でした。パワースライドまでできるのですが、アマチュアドライバーの使用状況ではこの装置の限界は見ることはできませんでした。

R32 GTS-4のコンパクトになった車体は、私にとっては、日常使用においても、ワインディングロードを駆け抜けるような場面でも、すこぶる快適だったのを、今でも身体が覚えています。やはりその元であるR32 GT-Rが名車であるのがわかる車体でした。

が、ファミリーカーとしてはマイナスで、時代はミニバンに移行しつつある時で、スポーツカーレースの結果によるクルマ市場に対する宣伝効果は、初代スカイラインGT-Rの時代とはかけ離れたものでしたね。残念ながら…。

その後、スカイラインは売り上げを落とし、販売のメインからは脱落していきます。・・・【日産GT-R物語(7)】初代スカイラインGT-R[1]➡

 

でも、スカイラインGTS-4の2022年の中古車価格を見てびっくり!!! 300万円近くしてますね((+_+)) 当時の価格と大して変わってないよ。

スカイラインGTS-4のスペック

・エンジン・燃料系

エンジン型式 RB20DET
最高出力 215ps(158kW)/6400rpm
最大トルク 27.0kg・m(264.8N・m)/3200rpm
種類 直列6気筒DOHC24バルブICターボ
総排気量 1998cc
内径×行程 78.0mm×69.7mm
圧縮比 8.5
過給機 IC付きターボ
燃料供給装置 ニッサンEGI(ECCS)電子制御燃料噴射装置
燃料タンク容量 60リットル
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン

・環境仕様

WLTCモード燃費 —-km/リットル
JC08モード燃費 —-km/リットル
10モード/10・15モード燃費 7.0km/リットル

・足回り系

ステアリング形式 パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前) 独立懸架マルチリンク式
サスペンション形式(後) 独立懸架マルチリンク式
ブレーキ形式(前) ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後) ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(前) 205/55R16 88V
タイヤサイズ(後) 205/55R16 88V
最小回転半径 5.3m

・駆動系

駆動方式 フルタイム4WD
トランスミッション 4AT
LSD 標準
変速比 第1速 2.785
  第2速 1.545
  第3速 1.000
  第4速 0.694
後退 2.272
最終減速比 4.375

 

ターボチャージャーのエピソード

ターボチャージャー

出典:http://gazoo.com/car/history/Pages/car_history_089.aspx

R32系スカイラインGTS-4のエンジンは、直列6気筒DOHC24バルブICターボでした。

ターボチャージャーって簡単に言うと、排気ガス側と吸気側両方にタービンを設け、排気ガスで回して吸気を促進するシステムだよね。

そして、ターボチャージャーと言えば、なんと東京大空襲や広島の原爆などで有名なボーイングB29に搭載されていました。

B-29はライト社が開発した強力な新型エンジン、ライト R-3350を4発搭載していた。R-3350は空冷星型9気筒を副列化した二重星型18気筒で、2基のゼネラル・エレクトリック社製B-11ターボチャージャーが装着されており、ミネアポリス・ハネウェル・レギュレータ社製の電子装置で自動制御され、高度10,000 mまで巡航時で最大2,000馬力の出力を維持できた。(Wikipediaより

実は、日本は戦闘機でこのターボチャージャーの技術に後れをとって大変苦戦しており、そのため大打撃を受けた事実があるのです。

戦後になり、その技術が自動車に取り入れられて、現在は燃費向上策ともなり、車の操縦性そのものを変えていったのです。

 

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