今、次期プリウスが全固体電池で発表されるのではないかと噂がでている。というのも、トヨタは全固体電池の開発をパナソニックと共同ですすめており、そろそろ実用化の発表があってもいいころだ。それに、全固体電池はEVのデメリットを払拭することができるため、プリウスがPHVで登場した時と同じような衝撃が世界に走るはずだからだ。
EVのデメリット、全固体電池のメリットを知っておこう!
EVのデメリットは、バッテリーが大きいための重量と航続距離、充電時間の長さだ。
けれどこれが全固体電池になると、そのデメリットがほぼすべてなくなってしまう。
現在のバッテリーは、クルマを所有している皆さんならお分かりの通り、液体の電解質となっている。自分でバッテリー交換をしたならなおのこと、バッテリー液がこぼれないように取扱注意で作業しなければならないだろう。
全固体電池はその名の通りで、その電解質が固体となる。
そのため、以下のような特性となる。
全固体電池に共通する特性
1.構造や形状が自由。薄型など、柔軟な電池が実現
2.小さな層を重ねることで小型・大容量化が可能
3.固体なので丈夫。寿命が長くて熱や環境変化に強い
4.高速充放電が可能
上記を見てわかる通り、すばり2.と4.は現在の液体電解質バッテリーでは成しえない特徴。
そのため、現在のEVでは大型すぎるバッテリーが山と積まれているから車重が重くなり、運動性能が落ちてしまう。また、充電時間が長くて、給油(充填)が数分ですむガソリン車と比べればぜんぜん実用にはならない。
さらに副次的には、コストのかかるバッテリーを多く積んでいることによって、車両価格もガソリン車に比べて高額になってしまう。
とはいえ、日産リーフEVとノートE-Powerを比べてみると、現在は税制優遇やメーカーの充電し放題プランなどを使えば、購入時の車両価格の差を縮めることもできるようだ。(参考:日産の2大電動車「ノートe-POWER」と「リーフ」5年乗ったらどっちがお得か計算してみた(WEB CARTOP))
それでも、価格以外に航続距離や充電時間の問題があり、EVの爆発的普及には至っていない理由なのだ。
全固体電池のプリウスが実現するとどうなる?
コスト的にはHV技術やEV技術の実用化の目途は立っており、現状での問題点は「バッテリーのエネルギー密度と価格」が注目だ。
バッテリーに関しては、トヨタがパナソニックと組んで開発してきた車載用の「全固体電池」が実用に近づいている段階だ。
現在のリチウムイオン電池に比べて全固体電池は、2022年時点ではエネルギー密度が2倍となっており、急速充電時間も大幅に短くなる。次期プリウスや軽四輪自動車に搭載する目途は技術的には立ちつつあると言える。
日産・リーフの航続距離と比較すると
現在の日産・リーフに比較すると、航続距離は2倍の800km程度にできるはずだ。それが2030年ごろには、さらに進展して4倍程度となるとされている。
なので、全固体電池が実用化されれば、EVは一気に「実用車の性能」となり得る。
そのため、トヨタは次期プリウスから本格的EVを発売できると見ているのだろう。全固体電池の実用化によって「EVが実用車として成り立つ」とトヨタは見込んできたということでもある。
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EVだけじゃカーボンニュートラルは実現できない
しかし、EVだけではカーボンニュートラルの社会は実現できない。発電とインフラ整備が追いつかねばならない。
以下の引用記事にあるように、トヨタの豊田章男社長が言っていることはその通りで、『EVは製造や発電段階で多くの電力を消費し、火力発電の割合が高い日本ではEV製造がCO2を多く排出する』に私は賛成だ‼
菅政権の経済政策に専門家から批判殺到 トヨタ社長もダメ出しhttps://t.co/rrnakTgHDi
— NEWSポストセブン (@news_postseven) January 16, 2021
それよりも、欧州のe-gas計画を考えると、水素社会の実現がむしろ日本の国情に合っているように思う。
水素を燃料として駆動できるトヨタのMIRAIのようなFCVもマツダのロータリーエンジンも日本の技術だ。それを活用しない手はない‼
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それに、EV化による雇用の半減が日本や欧米にとって深刻な問題である。現在では、産業のすそ野が広い自動車産業だが、これがEV化によって職を失う人が増える恐れがある。IT産業にシフトすればいいじゃないかと言われても、人材特性や教育期間を考えると簡単にいくわけない。
これを回避するには、水素燃料でガソリンエンジンを駆動していくこと以外は考えられない。