【イベントの考え方の誤り~倒産した値下げマン】

集客の達人(経営)

「値下げマン」と称した店員の値下げイベントで人気のあったスーパーが、倒産していました。
値下げマンが集客すればするほど赤字がでてしまったそうであります。

その時々で、値下げマンがただ同然まで値下げした商品は飛ぶように売れ、人気も高かったにもかかわらず、赤字を増やすだけであったのは何故でありましょう?

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当然、売れるのは値下げした商品だけであり、店全体の売上に寄与しなかったのであります。

日産の「フェアレディZ」の広告戦略の所でも指摘したように、広告で取り上げた商品だけが売れても、成功とは言えないのです。「フェアレディZ」について、商売にならないほどの少量生産の車と判断していた旧日産の経営陣は論外として、北米を中心とした世界戦略として「フェアレディZ」を先頭に立てる以上、日産の全製品とのつながりがなければ意味はありません

その点、ホンダの宣伝は当を得たものでることは前にも言及したとおりです。

この問題は、「アウトレット・モール」の抱える問題でもあります。集客に成功すれども売上は伸びずとなるからです。「ブランド品ウィンドウショッピングの遊園地」では実売に結びつくはずもありません。

このイベントの使い方については、広告代理店にも責任はあります。イベントの企画や、チラシなどの広告の作り方について、広告代理店業務を行う側の技術がその商売とは遊離しているのです。注目を引くことに目を奪われて、利益を生み出す「仕掛け」、その後に売上につながるストーリについて疎く、商売を理解していないことに問題があります。

過去、広告のコンサルタントをしているとき、チラシを作る作業のなかで、広告主であるクライアントが広告代理店の作る見栄えのする原案に気をとられ、筆者の示した案を受け入れなかったことは数知れません。 ロゴやデザイン等、残念ながら抹消のことに気をとられて、店側の運営のねらいや、予測される市場の反応などについて考慮が足らず、購買動機につながらない広告になってしまうことが多いのです。

この『商売と広告とのつながり』が理解出来ていないのは、商売の多くが市場としてできあがっていることにも原因があります。的確な広告でなくとも、そこそこ効果があったように感じる(勘違いする?)のです。
しかし、実際には本当にお客様の心を捉えていないことに気付いていないのです。

冒頭の例のように、「値下げマン」に人気があり、お客様が多く集まっている→しかし、値下げした安い物しか売れない。 このような゛バーゲンセール“が多く存在しています。

開店も一種のイベントで、特に大型商業施設はマスコミにも取り上げられ、集客に成功している様に捉えられますが、一過性のことであって、その後の安定した集客に失敗している例も多々あります。
後につなげる開店イベントでなければ、意味がありません。