【ファンドと商売の計算の違い(1)】

アコーディア・ゴルフ

ファンドが派手に活動して利益を独り占めしてしまいます。一方で実質給与が下がり、日本経済は立ち上がりません。金融政策に頼り、利益の配分の公平化をないがしろにして、本当に日本経済は立ち直れるのか?

ファンドとビジネスモデルの考え方をよく理解してみたいと考えました。

【仮説】

現在、売り上げ100億円の物販を営むA企業があったとします。そこに売り上げ300億円のN同業者が「事業を売りたい」と声をかけてきたとします。もう一つ、昔、売り上げ200億円規模の売り上げで、現在20億円ほどまで縮小してしまったF同業者が売りたがっているとします。

A社のメリット

  • NとFは共に歴史が古く、仕入れ値は売価の45%でメーカーが降ろしているとのことです。A社は新興で、現在は50%であるのでこれは魅力です。
  • A社がN社を買収した場合、一気に売上高4倍となり業界の上位に躍り出ることが出来ます。しかし、業界全体で市場縮小が続いており、将来、赤字転落をする危険があり、この流れを変えるには、販売方法の改革が必要です。
  • A社がF社を買収した場合、売り上げ増進は期待薄で、むしろ赤字になる危険があります。メリットはネット通販でマークダウン商品を現金化できることです。

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A社が決断すべき方向性

  • この業界で拡販に乗り出すべきなのか・?

N・F社どちらを買収するにしても、しなくても、市場縮小のなかでシェアを伸ばし拡販する戦略を模索し、ノウハウを開発して将来の展望を開くべきなのかが、問題です。

  • 仕入れ額の5%低減だけを狙うべきなのか・?

長期見通しはともかく、短期的な利益を出しておくべきなのか? その先は、現在は良しとするのか?

決断

以下のどちらかの決断が必要な場面でしょう。

(1)仕入れ額5%減を手に入れて、5億円の純益を確保し、F社の店舗の売り上げが回復できないのであれば、閉鎖する。その間、F社の赤字が多少出ても5億円の純益の範囲であれば、多少の時間はある。しかし、買収費用20億円の回収を考えると、すぐにでも手立てをしたい。

(2)N社の販売網をA社の販売ノウハウで立て直し、業界大手の立場をゆるぎないものとし、将来の展望を開く。利益を長期的に確保できるノウハウ開発展開して、200億円の買収費用を早期に回収して、さらなる拡大を模索する。

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