【豊洲問題から学ぶ(9)】「誰が?」ではなく「何が?」です[1]

日記

築地市場移転問題は、刑事責任問題になる可能性も出てきました。利権がらみの問題は多くは刑事責任問題があるのですが、ほとんど闇に葬られます。小池都知事がどこまで追及するのかは極めて政治的判断であり、それもまた「誰かが、どこかで」決めて収めてしまうのです。今回は、問題の技術的原点の話をしておきます。

犯人探し

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問題が起きると初めに「誰がやった」となります。品質管理のやり方として、これは基本的誤りです。

小池都知事も「誰がいつ何を決めたのか?を明らかにしたい」と記者会見で言っていますが、これは品質管理、組織運用の素人であることを現しています。

「そんなわけはない。誰の責任であるのかをはっきりさせることが重要だ」と思っている方もいることでしょう。結果として責任問題が出てくるのですが、問題をとらえることが最低限必要です。なぜなら「カイゼン」するのですから・・・!

始めに「誰の責任か?」と犯人捜しをすると、「原因は何か?」を意識することなく犯人を特定し、処分して終わりになってしまいます。本質の原因は手つかずで、また繰り返す可能性は、これまでと変わりないのです。

マクドナルドの再生

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マクドナルドの業績は回復しました。しかし、いったい何が原因で「マックナゲットの不良」を作り出したのでしょうか? 店舗での異物混入が繰り返されましたが、何が原因でどのように対処したのでしょうか?

「外注が悪いことをしたので、変えました」となっています。では「悪い外注使ってしまった原因は?」と問われて、対策はいかがしましたか? 「外注の品質を見抜けない、管理できていなかった」のに、外注先を変えただけで、再発防止が出来ているのでしょうか?

少なくともマクドナルドは外部に説明しようともしていません。これでは「再発防止が出来た」と確認しようもありません。お客様が忘れてくれたのです。これは品質管理とは言わない。

日本でもメーカーが「説明しなくなった」のは訴訟を恐れるようになったからです。日本のPL法は実質機能していませんのでメーカー側としては警戒する必要はないのですが、グローバル化の中で、よく理解していない海外事情に詳しい経営者が、訴訟社会の対応をしているのです。日本社会では「失礼」になるのです。

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