2017年2月、テレビ朝日「世界ラリー応援宣言・地球の走り方」(深夜放送)が始まりました。そしてその直後、18年ぶりに世界ラリー選手権(WRC)に参戦したトヨタが、スウェーデンラリーで優勝したのを知っていますか? 今、ラリーが再び日本でブームになりそうな予感? でも「ラリー」っていったい何?という人は、ちょっと知恵をつけて楽しんでみましょう。
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ラリーカーがドリフトするのは何故・?
ラリーカーの醍醐味の1つが、カーブを抜けていくとき、激しくタイヤを空転させたまま滑らせて抜けていく「ドリフト」です! ドリフト族が憧れている走り方です。
一方で、F1ではドリフトする場面は見かけませんね。スピンしてしまうのも、後輪がドリフトして振れてしまうのもF1ではミスであり、レースの場面でドリフトは使っていません。この違いはなぜなのでしょうか?
ラリーカーがドリフトさせるのはなぜなのか?
明確な目的があります。それは「エンジン回転数を下げない」ことが第一だからです。
現在、車に使われるガソリンの内燃機関のエンジンは、ある程度の回転数を上げていないと「トルク」が出ません。通常、市販車でも3,000回転以下であると有効なトルクがないため、力が出ないのです。
さらにターボチャージャーを取り付けていないエンジンでは、高出力に改造すると、さらに回転数を上げないと力の出ないエンジンとなってしまいます。いわゆる「高回転型エンジン」と言われる7,000回転以上で最高出力を得るエンジンです。
F1エンジンだと1万回転ぐらいまで回るかなり高回転で、最高のパフォーマンスを出してきます。すると低回転域では有効なエンジントルクがない性格となってしまうので、カーブでは出来る限りエンジン回転を落としたくないのです。回転数がカーブで落ちてしまうと、カーブの出口の立ち上がりでもたついて、タイムが落ちてしまうのです。
それを避けるためには、タイヤが空転している方がエンジン回転は車速に対しては高くなります。ラリーカーがカーブでタイヤを滑らせているのは、基本的に空転させてエンジンの回転数を高く保っているからなのです。これは一昔前までは死活問題となるほど重要でした。
回転数を落としたくないのはF1の世界でも同じで、マクラーレン・ホンダで活躍した、日本でも良く知られたアイルトン・セナは「セナ足」と呼ばれたアクセルワークで回転数を保つのが誰よりもうまく、コース一周平均では300回転ほど他のドライバーよりもエンジン回転数を高く保ち、その車の最高の性能を引き出す腕を持った英雄と伝えられています。
レースにおいては、このエンジン回転を高く保つ腕前が、速さの秘訣なのです。
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