【2017トヨタが優勝したWRC】ラリーの楽しみ方を知りたい人へ(9) 自然吸気(NA)とターボチャージャー

モータースポーツ

2017年2月、テレビ朝日「世界ラリー応援宣言・地球の走り方」(深夜放送)が始まりました。そしてその直後、18年ぶりに世界ラリー選手権(WRC)に参戦したトヨタが、スウェーデンラリーで優勝したのを知っていますか? 今、ラリーが再び日本でブームになりそうな予感? でも「ラリー」っていったい何?という人は、ちょっと知恵をつけて楽しんでみましょう。

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自然吸気(NA)とターボチャージャー

エンジンの区分には、自然吸気(NA)とターボチャージャー・スーパーチャージャー(過給機)付きがあります。

ターボチャージャーの開発に日本が後れを取った背景は、排気ガスで吸気タービンを回すので、排気側で排気ガスを受けるタービンが高温にさらされるために、材質が難しいことにありました。飛行機用では鉄で造っても良いのですが、これを自動車用にするには、さらに軽量にする必要があるのです。

飛行機のスロットル(自動車ではアクセル)は数秒の反応の遅れがあっても実用上問題はないのですが、自動車の小刻みのアクセル操作の必要性では大問題でした。

排気ガスでタービンを回し吸気タービンを回す仕組みでは、アクセルを開けてもエンジン回転が上がってくるまでの時間がかかってしまいます。そこで排気・吸気側タービンの軽量化が重要でした。日産自動車は当時、タービンをセラミックで造ったこともあります。航空機のジェットエンジンで使われているチタンの加工技術がゴルフクラブヘッドにも使われるほどになってくると、もちろん自動車用にも使われてきました。

半世紀前「金より高い」といわれたチタン合金の加工がこれほど下がったのには感動しました。技術の進歩が我々の日常の生活を、陰で変えていく事例の一つです。

現在ではタービンの立ち上がりの初期段階で自然吸気のバイパスを設けるなど、ターボラグをなくす努力が続けられています。そのおかげでより繊細なアクセルワークを要求されるレースでも、ターボチャージャーが使われるようになり、現在の標準になりつつあります。

※ターボチャージャーの仕組みを見たい方はこちらの参考HPへ。➡チューニングの基礎

↓↓↓NA車とターボ車のバトル動画。アクセルワークも見物!

2017トヨタWRCのチーム代表トミ・マキネンのアクセルワークが「マツコが「夜の巷を徘徊する」で、トヨタと競演! 時速240kmがマツコを魅了!!【画像あり】」で見られます。

タービンがこのアクセルワークについていけるようになったのですから、技術的進歩は早いものです。

次は、ターボエンジンの柔軟性で今年のヤリスの戦績が出来た➡➡

 

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