PGA米国男子ツアー、デザートクラシック が行われていますが、フィル・ミケルソンが去年前半と同様に好調なすべり出しです。天才レフティと言われるゴルファーですが、48歳になっても、その感覚の衰えはちっとも感じさせないところがすごいです。私は昔から、果敢に挑んでくるプレースタイルや、彼の真骨頂であるロブショットが大好きです!
パットには2種類のストロークタイプがある! あなたはどっち?
パターのタイプには、ピンタイプ、L字タイプ、T字タイプ、マレットタイプと4つのタイプがあると言われています。
ピンタイプのパターはバランスが良く、どんなゴルファーでも扱いやすいように作られています。しかし、L字タイプとマレットタイプを比べると、特徴は大きく違っていて、パターのスイングタイプによって使い分けたほうがいいでしょう。
それは、以下の表のとおりです。
ショルダー(振り子)ストローク | ワイパー(円弧)ストローク | |
ストロークの形 | 肩は「タテ回転」で、リストをロックし、両腕と肩の五角形(前から見ると)で動くストローク。 つまり、肩からクラブをつって振り子のように動かす。 |
肩は「ヨコ回転」で、ヘッドの軌道が地面と水平に扇形に(ワイパーのように)動くストローク。 つまり、自分の体を中心にクラブが円弧を描くように動かす。 |
特徴 | ヘッドの軌道が方向に対して平行に出るので、ショートパットの方向性に優れる。 | 右手で放り投げる感覚が出るので、ロングパットの距離感が合いやすい。 他のクラブでのショットと同じイメージ。 |
最適なパター | ネオ・マレット型 ピン型 |
L字型 重心深度の浅いマレット型 |
ショルダーストロークは、首の根元を支点として、肩は「タテ回転」で振り子のように振る感じ。
ワイパーストロークは、自分の体幹を軸にして、肩は「ヨコ回転」でヘッドは地面をなでるような軌道になる。
どちらでもないという人もいます。それはタップ型で、ストロークするよりもパチンと当てるタイプです。本当は、フィル・ミケルソンが言うように「バックスイングが25%、フォロースルーが75%」がいいと思いますが、感覚がマッチしていればいいのでしょう。タップ型に合うパターは、シャフトが真ん中にあるT字タイプのパターを使うのがいいでしょう。その場合、あまり弾きの良いパターだと、距離感を合わせるのに大変かもしれません。
↓↓↓こちらは、半世紀前にはよく見た懐かしい「T字型」パター。別名「マネーパター(※)」とも言っていました。天才的感覚を持つ青木功プロのように、手首でぱちんと打つタイプ(タップイン)には合うのかもしれません。
(※)マネーパターとだいぶ昔は言ってましたが、最近は「キャッシュインパター」と言うのが主流ですね。その意味は同じで、パットが入ればお金が入ってくるという意味です。
↓↓↓偉大な青木功プロのパタースイング。使用パターは「T字型パター(キャッシュイン)」です。
フィル・ミケルソンのパターに注目! 彼はワイパーストローク。
フィル・ミケルソンは、「まっすぐ引いてまっすぐ打つことが理想だが、パターというのは少しアークを描くのが特性がある」と言っています。
「アークを描く」、つまりはワイパーストロークになることを言っているのです。
で、ミケルソンの使用しているパターを見てみると、長年、L字タイプのマレットを愛用していますね。(オデッセイのヴァーサ#9)
要するに、彼のストロークタイプはワイパーストロークなので、必然的に使いやすいL字タイプのパターを選んでいるのです。かつ、L字パターの原型よりもマレットになっていることにより重心深度が深く、慣性モーメントも高いので、安定した軌道を生み出すことができるのです。
※(余談)フィル・ミケルソンは、4スタンス理論のB2タイプの選手です。ということはクロスタイプ(A1の松山英樹プロと同じ)にあてはまり、本来はショルダーストロークがあっているはず…。でも、「まっすぐ引いてまっすぐ打つことが理想」と言っているということは、そういう感覚がもともとあるという証拠でもある??
それとは逆に、松山英樹選手はスコッティキャメロンのピンタイプを好んで使用します。やはり、彼は首の根元を支点にしたショルダーストロークなので、ピン型が合っているのです。
やはり、プロは自然と自分のストロークスタイルに合ったパターを選んでいる、ということが分かります。
※詳しくは、以下の記事をどうぞ!
➡【あ・うんのゴルフ4スタンス理論を解釈する(47)】スイングタイプとパター選び(動画あり)
➡【あ・うんのゴルフ4スタンス理論を解釈する(48)】スイングタイプとパター選び
フィル・ミケルソンが愛用するパター
↓↓↓2019年1月「デザートクラシック」でのフィル・ミケルソン。持っているパターは「ヴァーサ#9」。
フィル・ミケルソンが首位キープ 本間ゴルフ契約のJ・ローズは8打差 https://t.co/OHh62Z1jVA pic.twitter.com/7Z2FG99AAS
— Tokyo Golfer (@tokyo__golfer) 2019年1月19日
フィル・ミケルソンが愛用しているパターは、オデッセイの「VERSA パター #9」(バーサ、ヴァーサ)です。たしか2013年くらいのモデルですので、長いこと愛用していることになります。
ちょっと時代遅れの白いヘッド。だけど白と黒のコントラストがはっきりしていてラインと直角に合わせやすいんです。
↓↓↓こちらは、オデッセイワークスが2015年に出した、フィル・ミケルソン使用と同型の「ヴァーサ#9」です。デザインがオリジナルよりも洗練されていてカッコいい!?
↓↓↓こちらは、今年2019年2月に発売されるオデッセイの「トゥーロン・サンフランシスコ」です。ヴァーサ#9によく似た形のL字パター。削り出しパターなので、打音は高くなります。カチン!と高めの音がお好きなゴルファーへ。
最近(2019年~)は、ミケルソンもいろんなパターを模索し始めたようです。
オデッセイ ホワイトホットXGブレードPMプロトとか、キャロウェイのストロークラボTENなどデカヘッドパターです。
ん~、年のせいで体のバランスや使い方が変わってきたのかな???
➡フィル・ミケルソン、世界ランク2位の若きJ・トーマスを破ったクラブセッティングとは?? ロブショットの達人の神業【動画あり】
➡【2018全英オープン】で活躍しそうなゴルフギアは? 松山英樹、タイガー・ウッズ、ローリー・マキロイの使用パターは?