【NISSAN GT-R物語(22)】サスペンション・セッティング[1]

日産とGT-R物語




 

NISSAN GT-R物語(21】新型HONDA NSXと何が違うのか?[2]➡

トヨタ・プリウス

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出典:http://toyota.jp/prius/performance/top/

 

超扁平タイヤが増えているけど…どうなの??

プリウス・サスペンション

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出典:http://toyota.jp/prius/performance/performance/

先日、新型プリウスに試乗してきました!215/45R17のタイヤがついていたのはビックリでした。

プリウスのタイヤサイズの215/45R17。45は扁平率のことを表していて、タイヤの幅(W)に対して高さ(H)45%ということです。初代プリウスのタイヤサイズが、たしか165/65R15なので、65%から45%まで扁平になった、つまり薄っぺらくなったということです。

こんなに薄っぺらだと、街乗りでどのような挙動を示すのか、興味がわきます。

トヨタのディーラーから出て直角に曲がるわけですが、小回りについては自然で、ハンドルの戻りなどについても、現在のパワーステアリングの常識からみると違和感はありません。

しかし走り始めてすぐ、突き上げ感がかなりあるのを感じました。実用セダンとしては強すぎるのです。やはり扁平率45%ではサイドウォールが小さすぎるようです。細かい凸凹を拾ってしまいます。プリウスは車高も低いので、まるでスポーツカーさながらのフィーリングです。

思わず「お尻が踊っているようだよ!」と言ったら、営業マンは黙り込んでいました。(最近の営業マンは反応が薄くて面白くないです…)

プリウスは、サスペンションが沈み込んだ時の挙動が左右に振れるのです。感触としては、バネ下重量物が踊っているようにも感じるのですが、目立ったのは、やはりタイヤのサイドウォールで吸収しているはずの細かい振動が、サスペンションまでダイレクトに伝わって吸収できていないためでありましょう。

プリウスは実用セダンなので、タイヤは薄くても、サスペンションの方は本来の195/65R15でセッティングされているのでしょう。ハンドリングはルーズに感じるのですが、日常走行では、むしろ安心感が出るはずです。

プリウスの試乗を終えて印象に残ったのは、やはりセダンのサスペンションセッティングでタイヤサイズの扁平率45%は無理があります。

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出典:http://toyota.jp/technology/chassis/lowflatfloor_suspension/

 

サスペンション・セッティングの世界の新潮流

2017年モデルGT-Rタイヤ

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出典:http://www.nissan.co.jp/GT-R/performance_body.html

扁平率の50%以下のタイヤを履くときにはサスペンションも強化しておく必要があります。そして最近では強化の仕方にも変化が出てきました。ポルシェやフェラーリ、BMW・Mシリーズなどでも如実な変化が見られます。

2017年型日産GT-Rでも変化があります。つまりバネレートを柔らかくして、ダンパーで抑える方向です。しかも細かい振幅は吸収して、大きな振幅には抵抗する仕組みです。これにより低速域での乗り心地が改善して、高速旋回の姿勢変化を少なくし、急ブレーキなどのダイブも抑えています。突き上げ感もなく街乗りでは乗り心地も良く、それでいて姿勢変化が少ないので、はじめは妙な感じを受けたものですが、これが標準となりつつあります。GT-Rはレーシングカーではなく、スーパーカーに変貌していく過程であるのかもしれません。これが目立ちませんが、「GT-R物語」として2017年モデルの最大のテーマかもしれません。→NISSAN GT-R物語(23】サスペンション・セッティング[2]

 

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