2010年Choice6月号に「本能のゴルフスイング」として紹介されていたのを見て「これだ!」と確信しました。後に、週刊ゴルフダイジェストに連載が始まる「あ・うんのゴルフ」です。これは廣戸聡一氏の「4スタンス理論」をもとにした、横田真一プロとの共同著作です。数あるゴルフ理論の中で、この理論の細部は未完成でも「正しいゴルフ理論」の組み立てであると見たのです。
「理論」と「成功事例(経験)」との違い
「あ・うんのゴルフ」の理論、つまり「4スタンス理論」が、実はビジネス理論に必要な基礎を踏まえていることを客観的に認識することは、すごくビジネスにも応用できるでしょう。
それはなぜか? 結論は文末に示します。
例えば、トヨタという企業は、現在までその「論理的組み立て」では誤りを犯していないように見ます。それは、業績を見ても日本国内でもホンダや日産の追随を許していないことがあるから。また、プリウスのHVの仕組みには、ベンツやBMWでさえ追随できていないからです。
その「論理的組み立て」とは、私も40年以上前に教わった「トヨタ生産方式」などの製造技術です。そして、トヨタの爪の垢を煎じて飲ませてもらった身として、忘れるわけにはいかない理論の組み立てでした。
↓↓↓60年以上前、ベン・ホーガンが書いたゴルフ理論の本、『モダンゴルフ』!
60年以上前、親父にもらったゴルフスイング理論の本が、ベン・ホーガンの書いた「モダン・ゴルフ」(上記)でした。
ゴルフスイングを説明した、最初の理論でした。
高速度カメラのない時代、誰もスピードのあるゴルフスイングを目で追えなかったはずなのに、「スイングプレーン」という基を初めて説明することが出来たことは、当時、画期的なことでした。
現在、内藤雄士コーチ(内藤雄士オフィシャルサイト)などのようにスイングを分解して説明したものでした。
↓↓↓30年ほど前、「レッスンの王様」と言われたデビッド・レッドベターが提唱したスイング理論。「スイングをもっと簡単に!」というのが彼の理論。今は「Aスウィング」で出ているが、出版された当時は「アスレチックスイング」となっていた。(こちらは電子書籍です)
その後、色々な人が理論展開していますが、「ザ・アスレチック・スイング」は、デビッド・レッドベター氏の2軸スイング理論です。日本でも、坂田信弘氏の理論などが有名です。
そして約10年前、「4スタンス理論」が出たわけですが、どうしてこれが正しい方向性と思えたのでしょうか?
だれかの成功事例をマネして成功できるわけではない
これは、ビジネス理論でも基礎となるものです。
私は、ビジネスコンサルタントでもあるので、よく営業施策でも「成功事例」を示すことがあります。実際の事例があるので説得力があり、コミッションセールスの世界では、セールスマンや顧客を駆り立てるときに使います。
でも、だれかの成功事例をそのままマネをしたからと言って、本当は成功できるとは限らないことを、やり手の方はもう経験的に知っているはずです。
確かに、成功者はいるのです。ゴルフの世界でもアーノルド・パーマー、ゲイリー・プレイヤー、ジャック・ニクラウス、そしてタイガー・ウッズなどは、すごいプレーヤーです。だから、彼らのスイングをまねることを、プロは当然としてきました。
しかし、それをマネて失敗したプロもまた数知れません。
ちょっと古い話ですみませんが、日本でも、ジャンボ尾崎を真似るプロゴルファーは多くいました。アマチュアゴルファーは、岡本綾子プロのマネをよくしたものです。それは、平均的な一般男性ゴルファーは女子プロの飛距離と同程度なので、力が強いジャンボの真似は無駄と知って、女子プロのマネが良いとなったのでした。
なぜマネしたのかは、優勝回数が多い成功したプロだったからです。
万人に通じる理論組み立て
そんな中で登場した「あ・うんのゴルフ」は、だれかの成功事例ではないのです。これを出版した後に、横田プロが久しぶりに優勝したので話題になりましたが、それで成功事例と感じることは、無意味なことです。
この理論は、だれかの「成功事例」ではなく「万人に適合できる」つまり「すべての人に通ずる」のです。これが、理論体系として成り立つ条件です。不変の法則と言いますか…。
ビジネスで言えば、「標準化」「誰がやっても同じ品質を保つ」などでしょうか。
だから、4スタンス理論では、誰もがどれかのタイプ(A1・A2・B1・B2)にあてはまり、タイプさえわかれば、実行すべきことが見えてくるのです。
でも、世間ではどの世界でも「だれかの成功事例」を追おうとします。なので、世界の人々がこれを理解していたら「リーマンショック」は起きなかったでしょう。マクドナルドが一時つまずいたのも、返り咲いたのも「偶然」であるとこの理論は教えています。
これが分かるなら、ビジネス上の管理技術が理解できるはずです。
マクドナルドはその後、また「異物混入事件」を起こし、可能性を完全に取り去ることは、現状の体制ではできないことを知りました。
でも、失敗の可能性を極限まで下げる努力は出来るので、すぐにでも始めるべきなのです。
2021年に至っては、コロナ禍の実態とはかけ離れた「株価の上昇」により日経平均株価は3万円を突破しました。それを追いかけて、個人投資家の中にも利益を出した人たちもいます。
株価の世界には、万人に共通する理論は存在しません。プロトレーダーでも成功する確率は50%とと言われる世界です。株価は「気分」という揺らぎの中で動いている世界なので、また暴落するときは訪れます。どこで手打ちをするか「賭け」なのです。
話は広がりましたが、よく考えてみればこのようなことを「4スタンス理論のあ・うんのゴルフ」は示してくれています。・・・➡【あ・うんのゴルフを解釈する(1)】スイングの基礎
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