【資金効率(7)】アセットライト[4]

アコーディア・ゴルフ

星野リゾート、アコーディア・ゴルフなど「資金効率の面」からアセットライト経営を目指す動きがあります。ファンド全盛の時代、企業が取り組まなければならない課題でもあります。

【本物の資金効率(1)】  【資金効率(1)】3つの業種[1]などでご紹介した資金効率を考えた「アセットライト経営」について、見ておきましょう。


☚【資金効率(6)】アセットライト[3]
☚【資金効率(4)】アセットライト[1]

製造業のアセットライトの正体

この誤りは救いがたいものでした。この設備を自慢していたのですから、大笑いです。またこの設備を投資したので親会社が系列に参加してくれと言ってきたのです。

ゴルフ場などのサービス業の下請けとは、実情が違って実質「共同出資者」でした。ゴルフ場のアセットライトと考えると、敷地・建屋・機械の所有者です。さらに製造技術・生産技術・手配技術などは自前で独自の技術です。製造工場では「下請け」などと呼べないので「協力工場」と呼ばれていました。当社の社長は親会社の常務待遇でした。事実上資本を出している大株主ですので、当然と言えば当然でした。

これが製造業のアセットライトの正体です。

物流のアセットライト

物販の世界でのアセットライトとはどのようになるのか?これが物流の世界に携わった時の、私のテーマでした。物流では製造業と違って仕掛在庫はありません。製造業で「多種少量生産」が切り札になったのは、工程が数多く、長期間それも繰り返し同じものが、仕掛在庫となって資金を必要としてしまうことでした。それを多種少量生産することで劇的に(数千分の一)に資金を減らすことが出来ています。

これと同等の物流でアセットライトを実現するにはどのような方法があるのか?がテーマです。

■コンビニは「近所の雑貨屋さん」

すると「コンビニ」の店舗は小規模でありながらスーパーにあるような品ぞろえで、定価で販売していました。これはなぜか? 地域密着の時間単位の小ロット販売なのです。同じ店舗で時間ごとの売れ筋商品を売っている。商品群ごとの店舗面積を合計するとスーパー並みになるのです。しかも住居密着型で利便性が高いことと、小ロット、つまり1本ずつの冷えた飲み物などで定価販売を可能にしていました。

これが基本であると考えたのですが、問題は専門店での応用でした。コンビニは「近所の雑貨屋さん」と私は命名したのですが、専門店では品数が限られ、コンビニの商圏では、客数が少なすぎるのです。

例えば:鍵屋さんをコンビニのように待ち受けて販売するのでは、客数が足りません。現在のようにある程度広い地域で出かけて修理する形態が必要です。また単価が1万円単位とかなり高くないと成り立ちません。比較検討できる一般商材の専門店では成り立ちません。

■商圏を広げる売り方

そこで「商圏を広げる売り方」に的を絞っていきました。専門店ですと狭い範囲ではそれほど需要はありませんが、商圏を広げれば小さな専門店でも集客に成功できます。しかし・・・

【資金効率(8)】アセットライト[5]➡

【市場を掘り起こすとは?(1)】ライフスタイルに提案[1]
【本物の資金効率(1)】
【資金効率(1)】3つの業種[1]
【市場を掘り起こすとは?(1)】ライフスタイルに提案[1]
【グローバル発注と系列】カルロス日産と章男トヨタの戦い[1]
【アコーディア・ゴルフのMBKパートナーズによる買収について(1)】
「東芝、横須賀の植物工場を12月末に閉鎖。レタスなどの生産・販売も終了」[1]
【ゴルフ場の立地条件(1)】たまに集客の達人!